Mリーグweeklyダイジェスト
2023年 4月17日〜 4月21日
朝日新聞Mリーグ2022-23セミファイナルは、各チーム残すところ4試合となった。今シーズンは例年になくファイナルを巡る争いが激化しており、どのチームが勝ち上がるのか、最後まで予断を許さない状況となっている。激闘の様子を振り返っていこう。
■4月24日(月)
対戦カード:KADOKAWAサクラナイツ・ KONAMI麻雀格闘倶楽部・渋谷ABEMAS・TEAM雷電
第1試合
日向が序盤に岡田から満貫を直撃するなどして加点していくと、3者テンパイの競り合いとなったオーラスも制し、トップを獲得した。療養していてこの試合がセミファイナル初戦となった萩原は道中苦しんだものの反撃のアガリを決め、2着となっている。
1位 日向藍子(渋谷ABEMAS)+57.9
2位 萩原聖人(TEAM雷電)+8.3
3位 佐々木寿人(KONAMI麻雀格闘倶楽部)▲18.0
4位 岡田紗佳(KADOKAWAサクラナイツ)▲48.2
【観戦記】
「みんな、一緒に泣こうぜ」萩原 聖人が語った、雷電ユニバースとともに叶えたい夢──(江崎しんのすけ)
第2試合
黒沢や白鳥が高打点のアガリを繰り出す中、南2局に黒沢が堀から5200をアガってトップ目に浮上。そのままオーラスまで逃げ切ってトップとなり、雷電を首位に押し上げた。堀はオーラスで3着浮上のアガリを何度も拒否しながらトップを目指す執念を見せたが、実らずラスに終わっている。
1位 黒沢咲(TEAM雷電)+54.0
2位 白鳥翔(渋谷ABEMAS)+9.1
3位 伊達朱里紗(KONAMI麻雀格闘倶楽部)▲21.1
4位 堀慎吾(KADOKAWAサクラナイツ)▲42.0
【観戦記】
運命のサイは投げられた 堀 慎吾が敢行した一か八かの大ギャンブル(徳岡明信)
■4月25日(火)
対戦カード: EX風林火山・KONAMI麻雀格闘倶楽部・渋谷ABEMAS・TEAM雷電
第1試合
瑠美が東1局のハネ満ツモで大きく抜け出し、一度は白鳥の逆転を許すも再逆転して、トップで試合を終えた。最終局は本田が裏ドラ条件で2着という手をツモるも裏ドラは乗らず、3着となっている。
1位 二階堂瑠美(EX風林火山)+62.4
2位 白鳥翔(渋谷ABEMAS)+13.1
3位 本田朋広(TEAM雷電)▲9.7
4位 高宮まり(KONAMI麻雀格闘倶楽部)▲65.8
【観戦記】
愚直な本田 朋広が 雷電ユニバース悲願の舞台へと切り拓く(ZERO / 沖中祐也)
第2試合
チームの正念場に登場した滝沢が、南場の親番でハネ満ツモを決めて大きく抜け出し、最後まで手を緩めず加点して大勝。4位に交代したチームを再び大きく浮上させた。勝又はギリギリの麻雀でラス回避に成功、大きなマイナスを防いでいる。
1位 滝沢和典(KONAMI麻雀格闘倶楽部)+79.6
2位 瀬戸熊直樹(TEAM雷電)+5.5
3位 勝又健志(EX風林火山)▲28.9
4位 日向藍子(渋谷ABEMAS)▲56.2
【観戦記】
勝って驕らず負けて腐らず(越野智紀)
■4月27日(木)
対戦カード: KADOKAWAサクラナイツ・KONAMI麻雀格闘倶楽部・渋谷ABEMAS・U-NEXT Pirates
第1試合
全員が2万点台と僅差でオーラスを迎えた接戦。最後は白鳥がリーチの堀から5200をアガって逆転トップを獲得した。放銃した堀はチームのために是が非でもトップが欲しかったが、痛恨の4着となってしまっている。
1位 白鳥翔(渋谷ABEMAS)+51.5
2位 鈴木優(U-NEXT Pirates)+8.5
3位 滝沢和典(KONAMI麻雀格闘倶楽部)▲17.8
4位 堀慎吾(KADOKAWAサクラナイツ)▲42.2
【観戦記】
至極の勝負、究極の涙(ゆうせー)
第2試合
東1局に仲林が大きく加点するが、松本、寿人が猛追。最後は6万点を挟んで仲林と松本が競り合う展開となるが、仲林がアガりきってトップを取った。内川はアガリがなかった上に厳しい放銃が続き、Mリーグワーストとなるマイナス54500点のラスに沈んだ。
1位 仲林圭(U-NEXT Pirates)+81.8
2位 松本吉弘(渋谷ABEMAS)+39.6
3位 佐々木寿人(KONAMI麻雀格闘倶楽部)▲6.9
4位 内川幸太郎(KADOKAWAサクラナイツ)▲114.5
【観戦記】
仲林 圭よ お前はこの嵐を乗り切るために、海賊船に呼ばれたのだ(東川亮)
■4月28日(金)
対戦カード:EX風林火山・KADOKAWAサクラナイツ・TEAM雷電・U-NEXT Pirates
第1試合
萩原が序盤から強気のリーチ、冷静なダマテンを駆使して効果的な加点に成功。大三元こそ逃したものの、安定した試合運びでチームをファイナル進出へと大きく前進させる、自身のセミファイナル初勝利を獲得した。瑞原はオーラスに痛恨の放銃で4着に転落してしまっている。
1位 萩原聖人(TEAM雷電)+61.3
2位 二階堂亜樹(EX風林火山)+3.9
3位 岡田紗佳(KADOKAWAサクラナイツ)▲17.6
4位 瑞原明奈(U-NEXT Pirates)▲47.6
【観戦記】
「雷電はもう迷わない」萩原 聖人、渾身の力を込めて振り下ろされるRMO(渡邉浩史郎)
第2試合
後がないサクラナイツはセミファイナル好調の渋川難波を送り出す。渋川は強気の攻めで闘い抜き、期待に応えてチームを敗退の崖っぷちで踏みとどまらせる一勝を挙げた。オーラスは黒沢が自身の着落ちすら受け入れる絞りを見せて小林をノーテンに追い込む、条件戦ならではの駆け引きを見せた。
1位 渋川難波(KADOKAWAサクラナイツ)+59.5
2位 松ヶ瀬隆弥(EX風林火山)+6.1
3位 黒沢咲(TEAM雷電)▲16.0
4位 小林剛(U-NEXT Pirates)▲49.6
【観戦記】
サクラはまだ、散っちゃいない―― ”背水の魔神”渋川 難波が放った5回のリーチ(後藤哲冶)
■ピックアップMリーグ
「私がラスを引いたから──」チームメイトの祈り、堀 慎吾の激闘【須田良規のMリーグ2022-23セレクト・4月24日】
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■4/24-4/28の結果
今週は雷電が100ポイント以上増やし、ついに首位へと浮上。チームの悲願となるファイナル進出まで目前のところまで迫っている。その他、風林火山、ABEMASがポイントを伸ばし、ファイナルへと大きく近づいた。サクラナイツは大敗で大きく後退。パイレーツも金曜日の連続ラスが響き、一時は3桁近くポイントを稼いだところから、再びマイナス域に転じてしまっている。
■5/1-5/4の注目ポイント
セミファイナルは泣いても笑っても残り3日、各チーム4試合。KADOKAWAサクラナイツは事実上の4連勝条件と極めて厳しい状況におかれているが、奇跡を起こすことはできるか。また、U-NEXT Piratesも現状敗退ポジションとなっているものの、こちらはある程度現実的な条件が残っている。まずは4位・KONAMI麻雀格闘倶楽部との直接対決がない5月1日の試合で、KONAMI麻雀格闘倶楽部を脅かすポジションにつけておきたい。初のファイナル進出を目指すTEAM雷電は現時点で首位と有利な立場。5月2日を終えて2位以上であれば、事実上ファイナル行きが確定する。
さいたま市在住のフリーライター・麻雀ファン。2023年10月より株式会社竹書房所属。東京・飯田橋にあるセット雀荘「麻雀ロン」のオーナーである梶本琢程氏(麻雀解説者・Mリーグ審判)との縁をきっかけに、2019年から麻雀関連原稿の執筆を開始。「キンマweb」「近代麻雀」ではMリーグや麻雀最強戦の観戦記、取材・インタビュー記事などを多数手掛けている。渋谷ABEMAS・多井隆晴選手「必勝!麻雀実戦対局問題集」「麻雀無敗の手筋」「無敵の麻雀」、TEAM雷電・黒沢咲選手・U-NEXT Piratesの4選手の書籍構成やMリーグ公式ガイドブックの執筆協力など、多岐にわたって活動中。