滝沢和典、辛勝も…四者一歩も引かない卓上は神選択が飛び交うトランス状態！！！！【Mリーグ2020ファイナル観戦記5／10】担当記者：山﨑和也

滝沢も満貫の手を引っさげて着々と手を進める。

園田からが出てポンからの打。待ちのテンパイに取った。あの滝沢がオタ風のをポンとなると、役は何か。河を見渡せばドラがまだ１枚も見えていない。すなわち危険信号である。

そんなことはお構いなく園田もカンを鳴いて前進（打）。

そして内川にもテンパイが入った。待ちは。滝沢の欲しいは自らが４枚吸収している。

内川に分があるかと思いきや滝沢がすぐにあっさりをツモ。大きな2000－4000で、園田をまくってトップ目に立った。

東４局。

ここまでひとり面白くない展開だったのが白鳥だ。しかし親になってビッグチャンス到来。初手でカンまで埋まっていよいよフィーバータイムの予感が訪れる。

対抗馬は内川だった。の対子３組はポンできればすべて役になる牌。高打点も見込めた。

 

両者とも順調に手が伸びて一触即発のイーシャンテンに。首位を争う２チームにとって負けられない勝負になった。ちょっと気になったのは上図の内川だ。

両面になるをそのままツモ切り。いらなさそうなを残した。推察するに索子のホンイツを狙っていたのではないだろうか。これは筆者には打てない一打であった。

すぐにが鳴けると、ではなくを打ち出す。ホンイツに向かわずとのシャンポン待ちに取った。

これに園田が捕まった。さすがにこの巡目でのは止められない。

内川が5200のアガりで局を流すことに成功。

痛かったのは白鳥。あっさりとビッグチャンスのフィーバータイムがイーシャンテンのまま終了となった。しかもアガられた手順が妙なのである。との切り順逆では？と思いたくなるが、大きく狙わなかった内川が秀逸だった。

南１局。

この日の内川はいつにもまして気合が入っていた。南場の親番で上図の手格好からをチー。なりふり構わずタンヤオで連荘を目指したのだ。

そしてテンパイまで持ち込んだが、終盤で相手の危険牌を掴んだところで撤退。ヒート＆クールであった。

南２局１本場。

ここで大勝負がやってきた。トップ目の滝沢が先制リーチ。これをアガればトップがかなり濃厚だ。

リーチを受けてラス目の白鳥にも絶好のカンが埋まった。を切ればピンフのみとはいえテンパイだ。

勇ましくリーチ。打点がないので、もし滝沢の手にドラが固まっていたらといろいろ想像すると、意外と勇気がいるのである。しかしここでダマってかわしても、苦しい状況は変わらない。

滝沢のか、白鳥のか。

大勝負はすぐに決着がついた。滝沢が高目のを一発ツモ。風林火山大噴火だ。

6000オールの1本場で18300のアガりに加えて供託も２本ゲット。風林火山は今シーズン、とことん不運で苦しんでいた。しかしそれでも崩れずファイナルまで食らいついた。ようやくその反動がきたか、今までのお返しとばかりの会心の一撃であった。

南２局２本場。

57600点持ちとなりトップ濃厚となった滝沢、をポンしていく。

かを切ればテンパイだったが、打とした。これは筒子のホンイツを狙っており、さらに大きく点数を稼ごうとしている。

先ほど痛恨の引き負けを食らった白鳥だがまだ目は死んでいない。上図でを引き、打ならカン待ちのテンパイだったが、これをツモ切った。やけっぱちでリーチをかけず虎視眈々と勝負の形を狙う。

次巡でを引き、１２３の三色が完成。これならリーチ……かと思いきや打でダマテンに取る。

続いてを持ってきた。これでカン待ちからの両面待ちに変化。２巡の我慢でググッと見違える手になった。

はやる気持ちを抑えたのが功を奏し、一生オリることのない完全無欠のリーチを放った。お見事。

しかし滝沢も負けてはいない。待ち構えていた内川のをチーし、無筋のを楽勝でプッシュ。待ちのテンパイに取った。