多井隆晴を、ABEMASを捉えたサクラナイツ・内川幸太郎 愛すべき麻雀バカたちの戦いはいよいよ最終局面へ
文・東川亮【金曜担当ライター】2021年5月14日
朝日新聞Mリーグ2020ファイナルシリーズは、全12戦の2/3を消化する。
現状、渋谷ABEMASが半歩抜け出している状況だが、KADOKAWAサクラナイツをはじめ、各チームもまだまだ優勝を諦めるスコアではない。
全ての戦いが正念場、8戦目となる5/14の第2回戦も、そうそうたるメンバーがそろった。
5月14日 第2回戦
北家:内川幸太郎(KADOKAWAサクラナイツ)
小場で進んでいた東3局1本場。
5巡目に滝沢がを仕掛けた。
巡目が早く、一色手も見られる手格好だったが、滝沢はを切ってストレートにイーシャンテンを組む。
現状トップ目とは言えリードはないようなもの、通常であればここはホンイツなどに仕上げて打点を作り、点差を広げたいと考える打ち手が多いように思う。
しかしこの局で最悪なのは、親の多井に連荘される、あるいは大きなアガリを決められてしまうこと。
ただでさえ多井が点数を抱えてしまえば、それを剥ぎ取るのは困難を極める。
しかも、多井のABEMASは現状首位。
ここでトップを取られてしまえば、残り4戦での逆転優勝は非常に難しくなるだろう。
その状況を踏まえて、滝沢は打点ではなく、アガリへの最短ルートを見た。
チンイツに向かう多井に先んじて、滝沢がのみ300-500をツモアガリ。
多井包囲網、渋谷ABEMAS包囲網。
そんな言葉が頭をよぎるが、多井とてそれを甘んじて受け入れるつもりはない。
東4局。
多井は6巡目にテンパイするが、
引きで三色が崩れての役なしドラなしカン待ちは、最低クラスに悪い。
だが、それでも多井はこの手でリーチをかけた。
この段階で自身の目から3枚見えが2枚見えで、
比較的が山にありそうだと見たか。
また、の切りだしでドラを持っていると相手に読まれそう、そして平たい点数状況から自身のリーチに押し返しにくいと読んだところもあったかもしれない。
これに対し、内川・園田は受け気味の進行。
だが、ドラドラ赤赤になっていた滝沢は粘る。
滝沢がを重ねて切り、
これを見て多井はこの表情。
自身の待ちが吸収されたと見たか。
結果は流局。
誰一人として一度も3万点を超えないまま、試合は南場へと向かう。
南1局2本場。
最初に動いたのは園田、
をカンチャンでチー。
他3者から見ると、中張牌の上目が多く切られていることから、123の三色やチャンタなどが手役の候補として考えられる。
多井の目からは、三色には絶対に必要になるが4枚見えている。
を引き、滝沢に合わせる形で場に3枚目のを切る。
もし4枚目を通せれば三色が否定され、園田のアガリをかなりの割合で潰せそうだ。