Mリーグの一番長い日
揺らぐシャーレの行方は
文・ZERO【火曜担当ライター】2021年5月18日
ファイナル最終日を迎え、ポイント差がとんでもない事になった。
風林火山・サクラナイツ・ABEMASの3チームがほぼ横一線に並んだのだ。
半年以上かけて争い続けたMリーグ優勝シャーレは、今日の成績1つで行方が決まることになる。
セミファイナル・ファイナルと進むにつれスコアが半分になっていく現行のシステムではこのような拮抗した展開になりやすい。
「これまでの闘いの勝ちが薄まる」「最後に勝てばいいんだから運ゲーじゃん」と感じる方もいるだろう。
では何戦やれば運の要素を排除できるのか。
100戦?1000戦?いや10000戦でも麻雀は運の要素に左右される。
それならば、より短くしたほうが内容は濃密になるとも言える。
試合数を何戦に設定したところで結局は強いやつが勝つ。それは選手たちが一番分かっている。
この三つ巴の争いに残っていることも、またチームの力と言えるのだ。
「理屈」と「感性」
「運」と「実力」
これら相反する要素が究極のバランスで融合している部分が、麻雀の持つ最大の魅力だと私は思っている。
勝ったやつが勝者、力こそがパワー。
「Mリーグの一番長い日」とも言える究極の一日をドキュメンタリー調でお届けしていこう。
15:00 先発発表
全チームが先発を発表した。
全員で勝つことをスローガンにあげていたABEMASがここにきて多井の4連投となった。
多井を出さずに負けたら後悔が残る、との監督の判断だという。
ともにファイナルの好調者を積極的に起用してきた格好だ。
19:00 放送開始
いよいよ放送が始まった。
控室は重苦しい雰囲気に包まれている。
目を閉じ、集中力を高めている勝又の姿も。
19:12 第1試合開始
運命を分かつ第1試合が始まった。
東2局、開局にリーチピンフ一発ツモドラドラ裏の3000・6000を決めた勝又の手牌。
カンのヤミテンに構えていたところ、絶好のをツモってきた。
土田「これはヤミですね」
解説・土田の言う通り、終盤でトップ目ということもあり、ヤミテンを継続する人が多いかもしれない。しかし…
勝又は積極的にリーチを打ち
これをツモりあげた上に裏3の8000オールを決めた。
「リードは守るのではなく広げるもの」
とある麻雀漫画のセリフだが、東発の12000程度ではリードとも言えない。
特に最終戦ともなれば相手はきっちりと逆転の手を作ってくる。
優位な立場だからこそ、相手の心を折るまでリードを広げにいった勝又の選択が最大限に実った。
20:40 第1試合終局
勝又はこの大きなリードを保ったまま、終局に成功。
見事値千金のトップを獲った。
インタビューでは「もっと差をつけられた」と反省の弁を述べるあたりが勝又らしい。
もっと喜んでよ!とまつかよは思っているハズだ。
まつかよ「南2局の親番での放銃が痛かったかなーと思うのですが」
そこでまつかよが仕掛ける。