「トップ目だったので」
「待ちが悪いので」
「ダマなら出そうだったので」
など個々には正解と思われる判断です。
「アガりたい」
「勝ちたい」
という強い気持ちは素晴らしいことですが、リーチするしないの判断がトータルでチグハグになっているから、大きく負けているのだと思います。
「トップ目でメンホンで待ちが悪くて、ダマなら出そう」
という判断の正しさよりも、他の判断ミスによるダマテンのマイナス分が、遥かに大きいと思います。
この時は驚きました。
仮にダマならアガれる確率が高くなっても最大4倍です。
リーチをすればアガれる確率は下がりますが、もしで四アンコをツモれば、得点が4倍でご祝儀とウマとトップ賞も得点換算すれば、優に10倍以上です。
アガれる確率とアガった時の得点のバランスが期待値なので、アガってはいけないマンガンなんです。
ただし、これは全体の期待値の一部で、放銃や着順転落のリスクは含まれていません。
それを差し引いても、アガり確率を意図的に落として、もしかして放銃確率を上げてもリーチです。
さて、リーチがそれだけ有利だとしたら、「リーチに放銃はいかに損か」です。
たぬ従業員の負け組の特徴はまさにそれ。おそらくアガりたい欲望に負けて(ダマと同じ)、フラフラと地雷原で出て行くんだと思います。
守備力養成には時間がかかりますが、リーチとホンイツの大雑把な攻撃は短時間で身に着きます。
「ダマテンの理由の多くは言い訳」
くらいのつもりで打ちましょう。
(文:山崎一夫/イラスト:西原理恵子■初出「近代麻雀」2016年10月1日号)
●西原理恵子公式HP「鳥頭の城」⇒ http://www.toriatama.net/
●山崎一夫のブログ・twitter・Facebook・HPは「麻雀たぬ」共通です。⇒ http://mj-tanu.com/