徹底検証! 勝負所の南2局 日向藍子は新ドラの1mを切るべきだったのか?【Mリーグ2021観戦記2/3】担当記者:ゆうせー

そして、日向がツモってきたのは、

【5マン】だ。【1マン】を切ればピンフの役アリテンパイとなる。しかし、依然として新ドラの【1マン】はション牌だ。

険しい表情になるのも無理はない。果たして【1マン】は打てるのだろうか?

立体図を見てみよう。

場を見ると、役牌アンコの可能性はない。ただ、沢崎の副露はいずれもポン。まだトイトイの線が残っている。今【7マン】【9マン】と落としてきたところなので、カンチャンターツを残して縦の手に決め打っていない進行をしていたと考えると、トイトイでテンパイしている可能性はそう高くはない。だが例えば、

XXX【1マン】【1マン】【7マン】【8マン】【8マン】【9マン】【2ソウ】【2ソウ】【6ソウ】【6ソウ】  XXX【1マン】【1マン】【5マン】【5マン】【7マン】【9マン】【2ソウ】【2ソウ】【6ソウ】【6ソウ】

など、XXX【1マン】【1マン】【7マン】【9マン】【2ソウ】【2ソウ】【6ソウ】【6ソウ】YYという牌姿からの【2ソウ】ポン発進も、捨て牌と照らし合わせて矛盾なく考えることが出来る。

そして今、日向はトップ目だ。沢崎にロンされるのももちろんマズいが、ロンと言われなくても沢崎にポンされたり、ドラの【1ピン】をカンしている東城に【1マン】をポンされたりするのも歓迎ではない。

【1マン】を切ったときの待ちである【4マン】【7マン】も残り5枚と、物凄く多いわけではない。そして、カン【2マン】テンパイにとる際に切る【5マン】すらトイトイで当たることもある。

日向は、

【西】を切ってテンパイを外していった。もとより日向はかなりガードの固い選手だ。【1マン】切りダマも【1マン】切りリーチも有力だが、点数的に優位な状況にいるここは最悪を避ける慎重策でもいいように思う。

そんな中で、

「チー」

沢崎が【7ソウ】をチー!! 3副露目の【7ソウ横向き】【赤5ソウ】【6ソウ】を周りに見せつけていく。

この副露の影響で、

ドラ【1ピン】をカンしていた東城の手が止まる。

表情がゆがむ。

役牌の可能性がないので、沢崎はほぼタンヤオだろう。だとしたら、この【3ピン】は危険なところだ。【1ピン】【1マン】のドラが絡まなくても、【3ピン】で打つと【赤5ピン】が絡んで高くつく可能性もある。

ここは東城、【2マン】を切った。フリテンのシャンポン受けを残す苦渋の選択である。

さらに、

イーシャンテンだった瀬戸熊も【3マン】が打ち切れずに打【2マン】チートイツに路線変更を余儀なくされる。

残るは、

日向。なんと4枚目の【5マン】を引いての好形変化!

厳しい表情で考える日向。

立体図はこのようになっている。

日向が切ったのは、

【6マン】だった。

(切る前の立体図 再掲)

345三色の手替わりを待ちながら、日向は対面の東城のマークを外さずに【1マン】を止める決断をしたが、東城は手出しで【2マン】【東】と切ってきている。2枚切れの【東】単騎で待っていた場合以外では、【東】を切った手番で有効牌を引いてテンパイしていないと、この【1マン】は当たらない。

また、仮に東城がテンパイしていたとしても役牌がないので、ダマで【1マン】が当たるなら相当手役が限定される。主には縦の手役(七対子はカンしているので除く)だが、【2マン】がないため【1マン】はリャンメンや亜両面、ノベタンでも待てない。よってツモり四暗刻のシャンポンテンパイや四暗刻単騎待ちや三暗刻確定+1メンツの【1マン】単騎待ちが候補となるが、可能性としては相当低い。

東城に【1マン】をポンされる可能性はあるが、それでも【1マン】を切れば自分の待ちは【3マン】【4マン】【赤5マン】【5マン】【5マン】【5マン】【6マン】で構えた【3マン】【6マン】【4マン】【7マン】待ち。勝機は十分過ぎるほどあるだろう。

もちろん、実際卓につきながらここまで考えるのは難しい。ただ、先ほどまでと違って、沢崎が【7ソウ】を「チー」してトイトイの可能性がなくなり、沢崎に【1マン】が通るようになったのがやはり大きい。ここはトップを目指して、【1マン】切りリーチとした方が良かったのではないだろうか。

このとき、

東城は打【東】で迂回、

そして、

沢崎はなんとタンヤオ【7ソウ】単騎テンパイだった。

この局の結末は、最後の一牌で決まることとなる。

「ツモ」

日向の【1マン】ツモアガリ! ハイテイツモ赤ドラドラで2000-4000。このアガリのあと、

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