先制リーチに対してチーしてなお愚形2つ(チャンタとしてみるなら事実上愚形3つ)残りの二向聴と書くと狂気の沙汰だが、どうせリーチを掛けられた時点で既にこの局の期待値はマイナス。ならば少しでも自分にいい偶然がおこることを期待して、とりあえず急所を鳴いてみたといったところだろうか。
もチーできてこれで一向聴。
次巡、引いてきたのは。Wとチャンタの両天秤なら切りの一手だが……
ここは打。役をWに固定する代わりに、ピンズの真ん中を受け入れることができる形にした。この後どこまで押し引きのバランスを取るのか、非常に気になったところだが……
ここで瑞原のツモアガリ。リーチツモドラ3に裏も乗っけての跳満。たろうに親被らせて一気に二着まで躍り出た。
【ケース4】リーチ選択
【南1局】
瑞原にポンが入っている場面この役なしドラなし愚形聴牌を……
カンでヤミテンとした。
これは自身の手に打点がないこと+マンズ上の場況の悪さも含めてのことだろう。
伊達はドラそばの後に安牌じゃない生牌手出し、タンヤオ仕掛けの瑞原もの後に手出し、いずれもマンズの上を持っていそうだ。おまけに瑞原のタンヤオ仕掛けはドラが固まっていてもおかしくない。
しかしここで安全に打とならないのがゼウスの選択。瞬間で瑞原に放銃となるリスクを負ってでも、赤やドラを引いた時にひっかけカンでアガリを取りに行く布石を作っている。
強気な姿勢はアガリにこそ結びつかなかったものの、一人聴牌の収入を得ることに成功した。
【ケース5】鳴き後のターツ選択
【南3局】
ダブをポンしてドラドラの勝負手のたろう。ここでターツ選択。
こちらについてはドリブンズアカデミーTwitter(@DrivensAcademy)にてたろう自身から語られているのでそちらを引用させていただこう。
ソウズターツこそしくじるがマンズ下はしっかり面子に。マンズの上が埋まらずに聴牌流局となる。
【ケース6】鳴きの待ち取りpart2
【南4局】
ラス親のたろう。ここで連荘が連対の必須条件。
伊達の仕掛けに合わせる形でポンしてカン聴牌。1500点だがここは連荘で希望をつなぎたいところ。
伊達のドラターツ落としが見えたところで待ち変えチャンス。ここは……
を切ってのカンとした。単純枚数なら一枚切れのカンよりカンのほうが多いが、ここはの打点、引きやチー・ポンでの両面変化、伊達への先打ち、そして他家に上家の瑞原のを「鳴いていない」というミスリードでの放銃を誘う意味合いもあっただろうか。
しかし最後まで押し切った伊達のアガリ。たろうは二戦連続3着という結果で終えることとなった。
Mリーグには”勝っても負けても”、”出るだけで”面白い選手ばかりだが、その中でもたろうは指折りの選手といっていいだろう。
次こそはゼウスの選択が卓上に雷霆を引き起こすことを楽しみに待っていよう。