東4局。
ホンイツへと向かっていた滝沢がをポン。役をつけて手を進める。
直後、親の高宮がテンパイ。の変則3メンチャンはかなりいい待ちに見える。
だが、高宮の選択はテンパイ取らずの切り。リーチタンヤオの3900では終わらせたくないという思考か。とにかく、思い切った選択である。こういう選択が決まるならば、1日勝負を制することにもつながるだろう。
だが、高宮が好形テンパイを入れる前に、滝沢がドラを重ねてテンパイ。
さらに1シャンテンが長かった寿人が、ようやくテンパイして待ちでリーチをかける。
こうなると高宮としては、受け気味にならざるを得ない。トップ目から高打点で突き放す構想は成就せず。
ここで面白い選択を見せたのが滝沢。寿人が切った1枚目のはスルーしたが、伊達が合わせた2枚目は鳴いて、待ちをペンから単騎にスイッチ。滝沢いわく、2枚目は鳴こうと思っていたという。
この鳴きでアガリ牌を引き入れてハネ満ツモ。結果論だが、を寿人から鳴いていたら、こうはなっていなかった。
最後は、オーラスを4番手で迎えていた伊達。
数牌の並びが非常に良く、いくらでも好形や打点アップが狙えそうな形だけに、5巡目ののシャンポン待ちテンパイはさすがにとらない。
理想形の一つと言える3メンチャンリーチをかけると、
一発でをツモって、リーチ一発ツモタンヤオピンフドラのハネ満。これで伊達は2着まで浮上して、初戦を終えた。
第1戦結果
1着:滝沢和典 +21.5
2着:伊達朱里紗 +7.0
3着:高宮まり ▲3.2
4着:佐々木寿人 ▲25.3
【第2戦:逆襲の魔王を切り伏せたバガボンド】
第2戦、初戦4着でビハインドを負った寿人が牙をむく。
東2局1本場、手始めにドラのカン待ちで先制リーチに踏み切り、高宮の追っかけリーチを受けるも引き勝って満貫ツモ。
迎えた東3局の親番では、マンズの伸びを消して234の三色に固定する、打点を狙った進行を見せる。
この選択にツモがうまくかみ合い、と引き入れてテンパイし、リーチ。
三色になる高目をツモ、裏ドラ1枚を乗せてハネ満に仕上げた。初戦のビハインドもなんのその、これでなんと、寿人が滝沢をかわして首位に立った。この爆発力こそ、寿人が魔王たるゆえんである。
連荘した親番ではチートイツの1シャンテンからをポン、とのダブルバックに構える。首位とは言えまだリードはわずか、この親番で稼げるだけ稼ぎたい。
だが、そうはさせまいと滝沢がリーチをぶつける。字牌を残してスリムにしつつ、捉えるべき牌をしっかりと捉え、一つずつメンツを仕上げてのリャンメン待ち。
寿人もオリない。をポンしてテンパイ。ここで目下のライバル・滝沢のリーチを蹴れれば大きい。
このぶつかり合いを制したのは滝沢。寿人の打ち出したを捉えた。
リーチドラ1、そこに僥倖の裏裏で満貫直撃。このアガリで、再び滝沢がトップに立つ。
南1局2本場、親の滝沢にチャンス手が入る。1メンツで良形ターツがあるところに、2枚目のドラを引いた。4トイツでチートイツも見えるだけに、いったん字牌を置いてなどを切るような選択もあったかもしれないが・・・
ここはすべての可能性を残す切りで、目いっぱいに構える。
ピンフイーペーコードラ1に仕上げて先制リーチ。ここでの満貫は決定打になり得る。
それを分かっている寿人も、をポンしてカン待ちテンパイ。打点も待ちも大きく劣るが、ここで滝沢にアガられてはいよいよ追撃が厳しくなる。ここはリスクを承知で勝負に出た。