入り目を通したメカニズム 堀慎吾の渇求の果ては、さらにその向こう【須田良規のMリーグ2022-23セレクト・11月22日】

KADOKAWAサクラナイツ堀慎吾は6巡目にしてこのノミ手をテンパイしていた。

11月22日(火)第2試合南2局の1本場供託は1である。

点棒状況は東家から、

KONAMI麻雀格闘倶楽部佐々木寿人 2100
KADOKAWAサクラナイツ堀慎吾 20300
TEAM雷電黒沢咲 24000
EX風林火山勝又健志 52600

勝又がダントツで寿人はダンラス。
親番の残る堀と黒沢が2着を争い、抜ければ勝又まで狙いに行きたいところ。

愚形のリーのみではもちろんこのまま曲げるわけにもいかず、
堀はドラの【5ソウ】引きなどを待ってツモ切りしていく。

ソーズは変化せず、6巡目のノミ手はほぼ変わらぬ形で16巡目まで来ていた。

そして西家の黒沢がリーチ。

黒沢の残りツモは1回である。

そして直後に17巡目の東家寿人も【6マン】を引いてリーチ。

黒沢の河に【1マン】があるので、マンズの上に当たらないよう【7マン】ではなく【4マン】切りリーチになっている。
もちろん寿人もツモ番は1回だ。

この二人の一発目──、南家の堀である。

役なし愚形のまま、黒沢には現物だが寿人には通っていない【3マン】を掴んだ。
残りツモはハイテイの1回。

この【3マン】、切る人がいるものだろうか?

【3マン】は4枚目、寿人の宣言牌【4マン】のまたぎ、ダンラス親リーチの一発目、自身はカン【7ソウ】の役なしノミ手。
だいたい【3マン】【6マン】は寿人の入り目だ。
行けそうもない理由はいくらでもある。

堀は、卓上を精査する。

そして何らかの思考を巡らせた末──、

【3マン】をすっとツモ切った。

これは断言できるのだが、堀は割に合わないギャンブルでこんな牌を通すことはない。
絶対に確信をもって切っている。

しかしそうは言ってもこのテンパイ自体に、そこまでの価値を見出せるものだろうか?
通ったとしても、だ。

黒沢のツモは空を切り、

寿人もむなしくツモ切った。

そしてハイテイの堀のツモ番──。

堀が引き寄せたのは、6巡目のテンパイからようやく訪れた【7ソウ】であった。

ハイテイツモで500・1000の1本場。
供託を3000点回収し、寿人の親番を落として2着目に浮上である。

これは、凄いアガリであったように思う。
この【3マン】を切る人は、そういないのではないだろうか。

さて。
では堀のこのときの思惑はどのようなものであったのか。

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