アタマハネで内川だ! 裏ドラも載せてマンガンの加点。
痛いのは放銃した寿人、そして藤崎も完全独走状態という形ではなくなった。
【東4局】
前局和了った内川にいい風が吹いてきたか。両面両面の浮き牌選択、を切ってほのかに後の678変化を見据えたことで……
このツモを捉える! 手なりで678を狙えるかつ場に二枚見えの受けを払える嬉。
手順マエストロっぷりを見せつけての先制リーチとなったが……
ここにきてハングリーヴィーナスが眼を開ける。
無筋1枚プッシュ想定の現物打ではなく、自身の手牌の価値を限界まで高める打。
強気の名に恥じぬ押しっぷり。聴牌までこぎつけて、リーチだ!
まるで超絶危険牌を持ってきたかのように、で固まる内川!
しかし今回は
カン材の! これでの放銃はなし! 因縁からの開放だ!
おまけに新ドラは! これは内川に暗刻! 嶺上での和了りはなかったものの、大きなチャンスとなる。
この時点で内川の待ちは山に3枚、黒沢の待ちは山に1枚。内川が圧倒的有利かと思えたその矢先。
因縁は消えることがないのか。
西の呪い、そんな言葉が頭をよぎる。
内川の山3マンガンは泡沫と消え、黒沢への5200放銃。
「を持ってきた時点で勝負はついていたのよ」
……なんて少しセンセーショナルに書きすぎたか。
ただの先制リーチ、ただの捲り合い負け。少なくとも対局中は、内川もそれ以外の感情を持ち合わせていないだろう。
持ち合わせていないからこそ、次局【南1局】親番。
内川は冷静に、二枚切れのカンでも押さえつけ十分とリーチに踏み切った。
ダマテンならこの藤崎の手が成就していたかもしれない。
内川だけが見られたかもしれない、12巡目以降の世界。そこには……
ひょっこりと、しかし一番嬉しいが鎮座していた。
この4000オールの加点で形勢逆転。一気に二着争いは黒沢・藤崎両名にシフトする。
黒沢は二枚目のを鳴いて、ノミ手で内川の親を流せば。
藤崎が仕掛けてのホンイツのみで和了り返す。
かと思えば【南3局1本場】藤崎に親被らせ、自身が二着目に浮上する黒沢の大きな1300・2600の和了り。互いに一歩も譲らぬ攻防は遂にオーラスまでもつれ込んだ。
【南4局1本場】
寿人の連荘を挟んでのオーラス続行。
藤崎には配牌イーシャンテン! 条件があるとはいえ、まずは配牌の勝負で圧勝。後は何回ツモれるかにかかっているが……
寿人が内川からポン。
和了って欲しくない内川・黒沢と都合ツモ三回分の差が開く。この試行回数がものをいうのが微差の局面。