【 #神域リーグ2023 第4節第12試合観戦記】神域の夜空に、大三元の煌めき その奇跡の裏 空星きらめは 歩みを止めなかった【文 #後藤哲冶 】

空星がテンパイしたこの状況。
確かにここで【北】を切って欲しいと第三者視点で見ている人は思ったかもしれない。
しかし、松本の指摘はそこではなかった。

それよりもっと先。
この段階で、【北】を切るべきだったとそう話したのだ。
白雪は確かにホンイツに向かっていそうではあるが、まだソーズはおろか字牌すら余っていない。
今白雪にこの【北】をロンと言われる確率は、限りなく低いのだ。

仮にこの【北】を切って、ポンと言われたらその時オリれば良い。
白雪は親ではない。白雪が跳満程度をツモったところで、局は進み、まだまだ空星のトップは揺るがないのだから。

「三段目のこの状況で、テンパイなんだから切れとか、四暗刻なんだから切れとか、そういう乱暴なのは違うと思う」

松本は優しく、空星に指導する。
そうなのだ。配信者だから、とか。役満チャンスだから、とか。
そういったことは一旦置いておいて。

真摯に麻雀に向き合って、ここはこうできたよね、と指導するのは、とても素晴らしく、これぞ神域リーグという姿だったと思う。
空星も松本監督のことが、より好きになってくれたに違いない。

この第12試合。
神域リーグファンの間でこの大三元の話題は、瞬く間にSNSを席巻した。

空星きらめは牌に愛されていると、そう示したのは間違いないし、それは疑いようのない事実だ。

しかし、どうか。
その裏であったこの事を知っておいて欲しい。

牌に愛され、奇跡を起こした空星きらめが。
もっと自ら牌を愛するために歩み寄った軌跡を。

夜空に浮かぶ星が輝いて見えるのは、周囲の環境があるから。

次はもっと、煌めけるように。

空星きらめと麻雀の物語は、始まったばかりなのだ。

  • この記事が気に入ったら
    フォローをお願いいたします!
    最新の麻雀・Mリーグ情報をお届けします!

  • \ほぼ毎日4コマ最新⑤巻 好評発売中/