Mリーガーに学ぶ
リーチ宣言牌の意味
進化する王道・滝沢和典が
魅せた当たり牌を
引き出させるリーチ
文・危険な鬼太郎【火曜担当ライター】2021年2月9日
90戦行って8チームのうち、下位2チームが足切りになるルールでここまで接戦になるのも珍しい。
通常であれば3チームぐらいが安泰で5チームぐらいで勝ち残りを賭けた戦いになりそうなものだが、アベマズ以外のチームは常に7位8位になる可能性がある。
渋谷ABEMASだって19連続ラスを引けば普通に7位にはなりそうだが、1回戦の白鳥の麻雀を観ていても分かるようにそんな事はまずなかろう。
【2月9日 2回戦】
南家 前原雄大(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
東2局 親・前原 ドラ
滝沢が聴牌を入れる。
を切ればとのタンヤオツモリ三暗刻の聴牌。恐らくほとんどの人が即リーチを打つだろう。とは場に切られていないし、仮にドラのを引いて待ちに変えてもがフリテンだからだ。
しかし滝沢は…。
なんとを切ってのタンヤオのみのヤミテン。これではロンした場合たったの1300点だが…。
滝沢の主張としては「対面の日向がソウズのホンイツをやっているのでは悪い待ちだし、もさほど良くは見えない。こんな悪い待ちでリーチに行くのは怖すぎる。ここはとりあえずダマに構えて他家が攻めてきたら降りればいいし、仮にツモってもマンガンはある。リーチは流石に乱暴すぎるか」
という守備意識を重要視しているヤミテン選択だ。
実際このとは山に1枚しかなかったが、滝沢はこの薄いをすぐにツモる。
ツモタンヤオ三暗刻でマンガンのツモアガリ。人間とは強欲な物で「リーチして置けば…」と思う人もいそうだが滝沢は恐らくはそうは思ってはいないだろう。
1300でこの局を安全にかわせれば良いと思っている中でこの僥倖なツモアガリ。滝沢が一歩ポイントで先んじた。
東3局 親・滝沢 ドラ
一応はカン待ち一盃口2600点の聴牌とはいえ、このは場に2枚切れている。この世で4番目ぐらいに悪い待ちだと言っても過言ではない。
ここはマンズのリャンメンへの手替わりを待ちたい所。
前原がきっちりと手替わりを待ってリーチ宣言。
とのシャンポンリーチだ。これはがとにかく良い。が3枚見えなのはもちろんの事、他家はバンバン索子の下を切り飛ばしている。1枚切れなので他家が対子で抱えている可能性も無い。
さらにも端牌でリーチに行きやすい。滝沢のシャンポンとは違ってこれはかなり感触のあるシャンポンだと思われる。だからこそ前原はリーチを宣言した。
目に見えて場に2枚切れているとはいえ、狙い目のはこの巡目にしっかり山に1枚残っていた。
しかし…。これに日向が追いつきリーチ宣言。
待ちはカンと微妙な所だが、何と言っても手牌がドラ3。これだけでリーチに勝負する価値がある大勝負手。
山に残るは1枚とが1枚。どちらが勝っても負けてもおかしくなかったが…。
このラス牌を日向がツモ!裏ドラこそ乗らなかったものの、リーチツモドラドラ赤の満貫!
これがアベマズをここまで引っ張ってきた日向の力か。
東4局 親・村上 ドラ
前原がとをポン!
ここで少し面白い打牌をしたのが滝沢。
前順、2枚切れの単騎の聴牌を取らずに暗刻のを手牌に残した滝沢。残しているの数字は鳴きやすくトイトイに行きやすいし、七対子にいくならば理想的な牌でリーチに行きたい所。
このは前原がポンしているので切るしかないのだが…。