【 #神域リーグ2023 第6節第18試合観戦記】苦しむ中で、得たのは〝宝〟全ての局、全ての一打が 渋谷ハルを成長させる糧となる【文 #後藤哲冶 】

苦しむ中で、得たのは〝宝〟
全ての局、全ての一打が
渋谷ハルを成長させる糧となる

神域リーグ第5節第14試合。

渋谷ハルの目指していたトップは、最後の最後で、その手をすり抜けた。(記事はこちら)

渋谷ハルは聡明だ。
それはまだ麻雀を初めて時期がそんなに経っていないのにこれだけの雀力を持っているということもそう。
彼がVtuberとして築き上げた登録者数、コンテンツを見れば、火を見るより明らか。

私事で申し訳ないが、私がFPSを友人とやろうと思った際、どうすれば上達するか友人らに聞いたところ。

「とりあえず渋ハルの動画見てくれば間違いないね」

と言われ、彼の動画を漁るように見たことがある。
彼のチャンネルはそれだけ大きく、そして魅力のあるコンテンツなのだ。
昨年、白雪レイドと配信している際に
「神域興味あるんだよね」
と渋谷ハルが口にしてくれた時、それは心が躍ったものだ。あの渋谷ハルが、神域の舞台に来るかもしれない、と。

そんなチャンネルと組織を有する彼が麻雀という競技に相対し、反省する姿を見て、末恐ろしさすら感じる。
貪欲に知識を吸収していく彼は、いったいどこまで強くなるのか。

この日の第1、2試合では、チームメイトの或世イヌが1着と2着を持ち帰る大健闘。
その戦いぶりに、渋谷も負けられないと思ったかもしれない。

「お願いします! ハルさんが最強!」

そんな或世の声援に見送られ。
渋谷ハルが強大な敵に挑む。

第18試合
東家 渋谷ハル (チームアキレス)
南家 村上淳  (チームアトラス)
西家 渋川難波 (チームグラディウス)
北家 緑仙   (チームヘラクレス)

もうこれ以上負けられないアトラスとグラディウスから、監督が出陣。
怒れる麻雀界のトッププロである監督2人を相手に、渋谷と緑仙はどう立ち回るか。
注目の第18試合が始まった。

東1局

親番の渋谷が仕掛ける。
「子なら染めたかった」
と本人も話していたが、このバランス感覚が素晴らしい。
ここは【白】を鳴いてドラが1枚ある。速度的に遅くなる染め手よりも、ドラを使って柔軟にアガリを目指した。

「落ち着いていこう、だ」

比較的安全な【東】を残しての進行も素晴らしい。
こうした鳴き手順の時、ロスがあまりないようならこうした安全牌は1枚持っておきたいところ。
なにせ今日相手しているのは――

麻雀界を牽引してきたトッププロ2人なのだから。
監督陣のリーチに、渋谷が囲まれる。
しかしここも冷静に残して置いた東から切り出し。2人リーチは数巡で決着がつくことも多い。
この【東】1枚が大きな盾になる。

結果は、渋川のツモアガリ。
渋谷は2600点の失点となってしまったが、渋谷に焦りはない。
それが分かるシーンが、東2局にあった。

親番を迎えた村上が、渋川から出たドラの【7ソウ】をポンしたシーン。
ポンした後に次々と出てくる字牌を見て「染めてるワンチャンあるか?」と一度は疑ったものの。
その後、村上の手から出てきた【2ピン】を見て。

「いや、これ遠いところから鳴いて、圧だけかけてきてる」

……正直、身震いしてしまった。

実際、この局の村上の仕掛け出しは

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