幻の役満が3つも! 萩原聖人が6年間追い続けた 理想と現実との折り合い【Mリーグ2023-24観戦記 2/20】担当記者 ZERO / 沖中祐也

結果的にたろうのアガリ牌である【9マン】を一発でキャッチしてオリに回ったが、赤かつ宣言牌という急激に状況が変わる場面でも、思考をサボらない白鳥が印象的だった。

さらに驚いたのが3本場、たろうの6000オールが飛び出した直後だった。
まずたろうが

ここから【1ソウ】をポン。
たろうに点棒を持たせると強い、と言ったのはここらへんの動きである。

すぐに【白】も鳴けて

このイーシャンテンに。

現状は安い手だが、周りからしたらたまったものではない。
トイトイホンイツか知らないが、12000クラスに放銃したくはない。

そうやって字牌やドラの出を制限しつつ、ゆっくりトイトイを作らせてもらいましょうか… というのが神の計画、つまりゴッドプランだ。

こうして迎えた7巡目の白鳥の手牌。

テンパイだ。
ただし出ていく牌が生牌のドラ【1ピン】であり、これでロンと言われたら18000を覚悟しないといけない。
そしておあつらえ向きに【8マン】【9マン】が通っている。

【1ピン】にくっついてのテンパイを見据え、【9マン】を切るものだと思っていた。
しかし、白鳥は

ドラを切った!

白鳥は、たろうの仕掛けのレンジが広いこと、そしてたろうの【9マン】【8マン】の手出しから、少なくともそこは【7マン】を持っていないことを考慮に入れたのだ。

結局この局もすぐにたろうがアガり、白鳥の攻めは実ることはなかった。

【1ピン】が正解かはわからない。
切るならリーチを打ってもよかったとも思う。
(ポンされないことを確認してリーチ、は自分の手の弱さを露呈するのでいまいちな選択肢である)

だが、打【1ピン】は少なくとも不調で心が揺れているとしたら絶対に切れない牌だ。
白鳥がしっかりと地に足をつけて戦えているように感じた。

菅原の押し引き

菅原千瑛 +65.4pt  19戦

菅原の押しも強烈だった。

さきほど紹介した、白鳥がたろうの宣言牌をチーした局。
菅原はこんなイーシャンテンになっていた。

【1ピン】が現物であり、街頭調査では70%くらいが無難に【1ピン】を選ぶのではないだろうか。
しかし菅原はまるきり通っていない【4マン】をカチこんだ!

勝負手は目一杯。
ドラ【4ピン】【9ピン】の縦引きも逃さない、まさにBEASTらしい選択だと言えよう。
その後

こんな麗しきテンパイを果たすも流局。

ただ、放銃した東3局は勇み足だったように見える。

ここから2人に通っていない【8ピン】を切って5200の放銃。

菅原としては安全牌が【4マン】しかないこと、自身が両面2つのイーシャンテンであることから【8ピン】を押したのだと思うが、二軒リーチに対して通っていない2つの牌を切って1000点のテンパイではハイリスクローリターンすぎる。

ここは現物の枚数に関わらずオリるべきだと私は思う。(【6ソウ】も中筋で通しやすい)
獣になる場面の見極めが今後の課題か。

幻の役満①

たろうが突き抜けたあとの南2局1本場、萩原がこんなテンパイを果たす。

役なし【6マン】【9マン】【6ピン】待ちのテンパイ。
萩原は【西】を切ってテンパイを取り、ダマテンに構えた。

解説の村上は「自信のない待ちだからリーチをしませんでしたね」と言っていたが、私は萩原の打牌意図に確信を持っていた。

萩原は間違いなく四暗刻を見ている。

そもそも萩原は

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