泥まみれの冬桜――
内川幸太郎、変革の年
文・後藤哲冶【月曜担当ライター】2024年11月11日
第1試合

東家 内川幸太郎 (KADOKAWAサクラナイツ)
南家 佐々木寿人 (KONAMI麻雀格闘俱楽部)
西家 萩原聖人 (TEAM 雷電)
北家 鈴木大介 (BEASTX)
東1局

この第1試合、内川の幸先は悪くなかった。
対局開始直後の親番、一手代わり三色や、にくっつけての変化もあるこの手を。

シンプルにを切ってのリーチとした。
三色が確定するのは2pの一種類のみで、その変化を待つくらいならを切った方がマシな上に、
にくっつくのが良形になるとも限らない。
親番であることも考えれば、リーチが最善に見える。

実際、真っすぐ行きたかった寿人の手を阻止しながら、終盤でをツモ。
1000オールで先制する。
しかし内川の不運が始まるのに、そう時間はかからなかった。
流局を挟んだ、東2局2本場。

内川が12巡目にテンパイ。絶好のカンを引き入れての
ノベタン待ちだ。
待ちにもとれたが、枚数が少なく、更に2つ副露を入れている親の寿人に対して
の方が切りやすい。
リーチタンヤオ赤1。カンが入っていて裏ドラも見れるとあれば、ここはリーチが良いだろう。
仮に形が変化したとしても、や
が切れるとは限らない。

タンヤオ赤ドラドラの12000点テンパイが入っていた寿人が、猛然と押してくる。
これをオリてくれる寿人ではないだろう。めくり合いだ。

終盤、を引いてきた寿人が、通した
を切って待ちを変える。カン
待ちへ。
この段階で、1対2の内川が若干有利なめくり合いだったが――

内川が最後の手番で掴んだのは、無情にもだった。

12000の放銃。
2巡前は通っていた。
そのアガリ形を見て、内川は何を思っただろうか。
東3局、萩原の判断が良かった。

ドラがのこの場面、
と
のシャンポンテンパイを入れた萩原が、すっ、と
を自然に切ってダマテンに構えた。
元々ソーズから埋まった時はダマテンと決めていたのだろう。
リーチをするとは出ないが、ダマテンなら出てもおかしくない。
の出アガリだけを犠牲にするが、
はこの序盤、そう簡単に場に放たれる牌ではない。
ピンズ周りが両面に変化したらそちらでリーチの選択も残り、ダマでも白ツモなら6000オール。これはダマが良さそうだ。

狙い通り、手形が整ってきた大介から、を捉えることに成功。既に、山に
は残っていなかった。
12000のアガリ。
これで、萩原と寿人がリードする展開に。
南1局

崖っぷちに立たされた内川。この親番を落としてしまうと、もうトップは厳しいと言わざるを得ない。
必死に手を組んでいくが、相手の手が速すぎる。

5巡目。
南家の寿人がダブをポンして早々にテンパイ。
待ち。

同巡。
内川が切ったにポンの声。
大介がテンパイだ。待ち。