無邪気なタイタン 竹内元太【Mリーグ2024-25観戦記 11/25 第1試合】担当記者 #後藤哲冶

しかしここは覚悟のリーチを放った瑞原に軍配。
1300オールで、3着瑠美を少し引き離すことに成功。

続く南4局1本場も、竹内のやることは変わらない。
対子の【1ソウ】切りは、役無しテンパイを拒否する一打。タンヤオか、役牌でのアガリを狙う。

【4ピン】を引いて、【8マン】切り。【2ソウ】を引けばピンフがまだ見えるので採用しつつ、この時竹内は【3マン】【6マン】をチーしたいと考えていた。
所謂ダブルドラである赤【赤5マン】を全体に見せる事ができれば、8000点打つと4着になってしまう瑞原が攻めにくくなる。
とにかく親番瑞原の手を止めたい竹内としては、ブラフでも良いから赤【赤5マン】を見せたいとそう思っていた。

【7ソウ】を引いたことでタンヤオのターツが足りた。
ここで【3ソウ】【1ソウ】に手をかける。【1ソウ】は瑞原の現物。安全度を考慮して内側の【3ソウ】から。
すぐに【2マン】をポンできて、イーシャンテンへ。

前述した通り、高く見せたい気持ちはやまやまだが、このドラの【5マン】は持ち切れない。
切り遅れるなんてことになったら本末転倒だ。

伊達からのリーチが入った瞬間、【3マン】を引いてテンパイ。
ここで虎の子の安牌、【中】を切って安全にテンパイ確保。
元より伊達には打っても良い立場。8000点のリャンメンテンパイともなれば、オリる理由は無い。

最後のめくり合いも、きっちり制して。
竹内が盤石のトップを獲得したのだった。

点棒を持った後は素晴らしい局回しでトップを獲得した、竹内。

今日のインタビューで竹内はこんなことを語っていた。

「結構SNSとか気になってしまって。『竹内は弱い』とか『もっと押せ』とか言われているのを気にしてたりしてたんですけど、急に変えられるわけでもないので、いつも通りやってトップとれて良かったです」

これだけの実績を持っている竹内だが、その心は意外と繊細なのだ。

一緒の麻雀店で働かせてもらっていた頃、元太の持ち前の明るさ、奔放な性格に、多くの人が彼を慕っていたのを知っている。

「まっかなうーそー【赤5ソウ】! なんつて!」

「ん?! その手出し、あーやーしい↑」

竹内が入っていた卓は、笑顔が溢れていた。
お客さんも、竹内も、楽しんで麻雀を打っている。私はそんな空間が、たまらなく好きだった。

麻雀では無類の強さを誇りながらも、いつも明るく、無邪気に。
そして人間らしい繊細な心も持ち合わせた竹内元太のことを、もっとたくさんの人に好きになってもらいたいと、心から思う。


セガサミーフェニックス公式X より

……うん、やっぱり良い笑顔だ。

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