高まる優勝への意志　#竹内元太　本領発揮の打ち回し【Mリーグ2024-25観戦記 1/6 第1試合】担当記者 #後藤哲冶

この局は、勝負に腹をくくった瑞原と内川がぶつかり合い、内川が制する。
8000のアガリで内川が２着へ。
しかしこの後、南３局に内川が亜樹に8000を放銃し、2着争いは混沌としたまま、第１試合はオーラスを迎える。

竹内が、実況解説が気付かないほどの速度で、ドラのを切った。
竹内の真骨頂ドラ切り。必要なのは打点ではなく速度。
を引いたことによりアガリへのルートをタンヤオか役牌に固定。
持っていて万が一ドラのをポンされてしまうと、打点が8000確定。
現状２着目の竹内だが、8000を打つと４着まで落ちてしまうこともあり、早々に見切った形だ。

をポンして前に出る。
依然として苦しい形だが、アガるならポンした方がマシと判断。
仕掛けておくことで、上家に座るトップ目の亜樹からのアシストも期待することができる。

ドラを２枚竹内が切ったことで、内川もここでドラのを断念。
親の打点が低くなることは、竹内にとっては当然嬉しい。

この局は内川が700オールの加点。
これで竹内を捲って２着だが、その差は僅か1600点だ。

南４局１本場

をポンしている竹内が、ここでドラのをリリース。
現状発のみの1000点は内川以外からの出アガリが足りないのでドラのを残していたが、これでトイトイのルートも出た。
なにより、亜樹に打点が無いアピールをしておけば、アシストも受けやすくなる。

を引き入れて選択。
副露の際はターツオーバーとするよりも、５ブロックに構えた方が基本的には有利。
なのでどこかのトイツを払いたい。

選んだのはだった。
と持っているため、リャンメン変化の枚数が少ない。
とはやを引いた時に、タンヤオの受けが増える。

試合を終わらせたい亜樹も素晴らしいアシストで援護する。
を切ってこれを竹内がポン。

更にはもチーさせてこれでテンパイ。
待ちは、ツモか直撃で２着だ。

もう見ていられないと内川も速度を合わせる。
2900でも竹内の条件が厳しくなるため、普段よりも価値が高い。
待ちの、テンパイだ。

２着を巡る、最後の攻防は――

竹内が、見事に制して。
値千金の２着を持ち帰ることに成功したのだった。

トップは、二階堂亜樹。
オーラス、最後の場面では内川がテンパイかもしれない所に、それでも竹内へ差し込みに行ったのが印象的だった。

内川はテンパイか分からないが、竹内はほぼテンパイで、マンズ待ちの可能性が高い。
内川に仮に放銃したとしてもトップが危ういほどではないため、強気の差し込みはとても良い判断だと思う。

そしてアガリは2000オールと300、500ながら、大きな２着を持ち帰ったのが、竹内元太。
こうしたアガリ以外の部分と細かなアガリで良い着順を持ち帰るのは、まさに本領発揮と言えるだろう。

確かに、本人も語っていた通り、もちろん展開に恵まれた点はあったかもしれないが、東１局のオリ判断からのテンパイ取り切り、そしてオーラスの仕掛けと、随所にらしさは出ていたと思う。座っていた人が違えば、２着を取れていたかは分からない。

手が入らなくとも、戦えるのが竹内元太。そんな印象を受ける今日の第１試合だった。

実は先日、新年会で竹内と話す機会があった。
その会の中で、久しぶりに竹内が１年を通してタイトルを獲得できなかった事が、話題になったのだが。