あの涙から3年 岡田紗佳が目指す、満開の笑顔【Mリーグ2024-25観戦記 1/13 第1試合】担当記者 #後藤哲冶

あの涙から3年
岡田紗佳が目指す、
満開の笑顔

文・後藤哲冶【月曜担当ライター】2025年1月13日

今期誰よりも苦しんでいる選手が、KADOKAWAサクラナイツにはいる。

岡田紗佳だ。
開幕から未だトップは無く、ポイントも大きくマイナスしてしまっている。

岡田には、過去に同じくらいトップが遠かったシーズンがあることをご存知だろうか。

2021-22シーズン。
この年岡田は開幕から12戦トップがなく、それでも年明け後1月14日の第1試合で、見事シーズン初トップを獲得したのだ。
インタビューでは、少し涙を滲ませるような様子まで見られた。

本日は1月13日。
苦しみながらも初トップを取ったあの日と、日付はほぼ同じ。
3年前のあの日のように、歓喜のインタビューを受けることができるか。

1月13日 第1試合

東家 瑞原明奈 (U-NEXT Pirates
南家 醍醐大  (セガサミーフェニックス
西家 岡田紗佳 (KADOKAWAサクラナイツ
北家 中田花奈 (BEASTX)

東1局、最初のリードを奪ったのは、MVP獲得経験もある瑞原だった。

この形からダブ【東】を仕掛けると。

中田からのリーチをものともせず、きっちりと4000オールに仕上げて大きな加点に成功。

東1局1本場

8巡目、岡田が【8マン】を持ってきて少考。
真っすぐに手を組むなら【5マン】切りだが、一気通貫や清一色といった高打点へのルートが無くなってしまう。

故に、岡田は【1ソウ】【2ソウ】払いを選択。
【6ピン】を引けば採用、でなければ仕掛けてのチンイツも視野といったところか。

すぐにドラの【6ピン】を引いて、イーシャンテンへ。
【5マン】を切っていればここでペン【3ソウ】のテンパイが入っていた牌。
しかし、すぐに【7マン】【6マン】を引けば高くなって返ってくる――

が、先に来たのは残り1枚しか山に残っていなかった【3ソウ】だった。

岡田が、目を伏せて静かに息を吐いた。
どうしてこんなにも選択が裏目に出るのか。決して悪い選択ではなかったように見えるが故に、苦しい。

この局は中田1人ノーテンで流局。
依然として瑞原のリードが続いている。

東1局3本場

岡田が【4マン】を引いてきて【6ピン】切りを選択。
テンパイする牌を一番多くする選択ではないが、こうしておけば一気通貫のイーシャンテンにとりつつ、ドラを縦に引いた時に【3マン】【6マン】リャンメンを使うことができる。

【5ピン】を赤【赤5ピン】と入れ替えた後に、【1ピン】を引き入れてリーチへ。
【7ピン】をツモれば無条件で3000、6000の高打点だ。

親番瑞原が追い付く。
今通ったばかりの【3ソウ】待ちのチートイツだが、場況も悪くないと見てリーチへ。これも山に1枚残っていた。

このめくり合いを制したのは岡田だった。
親からの追っかけリーチが入った直後ということも考えれば嬉しすぎるツモアガリ。
これで一気に瑞原を捲って、トップ目に立った。

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