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と牌種だけでいえば12種類。
ダブルリーチに打ち手の思考はほぼ介在していないため、どんなパターンの待ちでも出てきうることになり、
の放銃率はどんなに高く見積もっても15%ほど。実際にはそれより低いだろう。
この1打を通せばテンパイが確定するため、放銃率が10%程度の
を打つことは至って自然な選択に感じる。
だがこれがレギュラーシーズン、第1試合だとしたら…?
多井の戦いをよく見てきた解説、村上淳からは、そのように見えていた。
多井は普段のバランスを捨て、条件戦に徹していたのだ。
ホウテイがついて、12000点のアガリ。
南2局には、
最後の親番を繋ぐべく、カン
チーから仕掛けていくが、
ここまで目立った動きがなかった寿人が、カン
の一盃口でリーチ。
少し考えてからのリーチ、ツモり四暗刻もあり積極的に行きたい手ではなかったことと思うが、
その四暗刻変化に乏しいのがメインの理由だろう。
さらに
が4枚見え、
は3枚見えで、カン
が使いにくそうなのもリーチに踏み切れる要素だ。
全員が競っている点数状況、連対以上を目指して少しでも大きく加点をしておきたい。
同じくここまで動きがなかった小林も、タンヤオ赤の両面でリーチをかけるが、
親で勝負に行くしかない多井が、小林の現物である
を勝負して
3200点の効果的な加点。
これでABEMASのセミファイナル最後の親が終わった。
続く南3局でも、寿人はカン
をチーして
すぐに小林からアガって2000点。
接戦のまま、オーラスを迎えた。
2着浮上には満貫出アガリか1300-2600ツモ条件、トップは満貫をツモかたろうからの直撃条件の小林。
789の三色、さらには仕掛けての純チャンを見て、
を切っていった。
両面のターツは足りているので、ピンズを伸ばす必要がなく、打点を上げる浮き牌を残したい形だ。
狙い通り
をくっつけて、マンズの両面を払っていく。
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はチーしても満貫になるため仕掛ける形だ。
純チャンテンパイ!と言いたいのだが、これが
4枚見えで高目が無い。
さらには
も2枚切れなのだが、巡目的にこの形で勝負をかけるしかない。
ツモ2着、一発か裏が乗ったときにはトップまであるリーチをかけていく。
その勝負が、実った。
一発で
をツモ。2000-4000で、逆転トップ。
この半荘、小林のアガリは一回。満貫一回のアガリのみで、勝負を決めてしまった。
この満貫一発は、
おそらくファイナルで争うことになるであろうドリブンズ、
そして、何より雷電とのポイント差を第一に考えていた麻雀格闘倶楽部にとって、大きな痛手となった。
多井は、本当に悔しく、情けないという顔をしていた。
やはり今日のバランスは、素点を稼ぐという目標のもとだった。
ABEMASのポイント状況で最終戦を打つということには、つらいものがある。
「何をしても、誰かの有利不利を作ってしまう」状況。
それでも多井は最後まで戦い抜いた。














