文・後藤哲冶【月曜担当ライター】2025年5月5日
Mリーグファイナルがついに始まった。

本当の短期決戦。
来週の金曜日には2024-25シーズンの覇者が決まっているというのが、期間の短さを物語っている。
ポイント状況を見ると、ギリギリファイナルへの切符を手にしたTEAM 雷電が苦しい位置ではあるが、他3チームはほぼ横並びと言っても差し支えないだろう。
このセミファイナルからファイナルまでの期間で、ある一人の人物がXでとある発信をしたのが話題になっている。

セガサミーフェニックスの監督を務める、近藤誠一が、今期限りで監督を退任することを発表。
体調が上向いてきて、選手としてもう一度戦うという表明であるため、決して悲しい話ではないのだが、それでも長い間フェニックスを支えてきた存在が去るのは、フェニックスサポーターとしては寂しいだろう。
そしてその近藤誠一に対して、並ではない感情を抱いている男がいる。

今シーズンのMVP、醍醐大だ。
近藤は醍醐を自身の後継者としてチームに選んだ側面もあるだろう。
そんな監督が、今シーズン限りでの監督退任を発表。
今年勝たなければいけない理由が、増えた。
優勝を賭けた、熱くて、そしてあまりにも短いファイナルの舞台が、始まる。
5月5日 ファイナル 第1試合
東家 渡辺太 (赤坂ドリブンズ)
南家 萩原聖人(TEAM雷電)
西家 醍醐大 (セガサミーフェニックス)
北家 瑞原明奈(U-NEXT Pirates)
東1局
勝ちたいと思っているのは、当然全員ではあるが。
より初戦から負けられないチームがある。

雷電だ。
セミファイナルからずっと厳しい展開を強いられている萩原だったが、ファイナルの先鋒を任された。
その期待に応えるべく、太の親リーチに対して追っかけリーチを敢行。

このめくり合いを制する。
親番の太とのめくり合いだったことを考えても、これを勝ったのは大きい。3900の先制パンチだ。

TEAM 雷電にとっては、久しぶりのファイナルの舞台。
萩原も普段の表情よりも心なしか気合が入っているように見えた。
東3局

この局も手牌がぶつかる。
3900の失点でスタートしてしまった太が反撃開始すべく、リーチタンヤオピンフの待ちでリーチへ。
前巡にタンヤオに全力の切りがなんとも太らしい。
見事の重なりを捉えてリーチへ辿り着いた。

そして親番醍醐も追い付いた。勝負手のテンパイ。
待ち高目三色は、当然の勝負だ。
を切ってリーチへ。
高目のがなんと山に3枚残っていた。

醍醐のツモる手に力が入る。
をツモって、裏ドラが1枚でも乗れば、一気にこの半荘は醍醐に傾く。

が、まだ麻雀の神様は天秤を傾けることを良しとしなかった。
こちらも山に残っていたを太がしっかりとツモアガリ、1300、2600のツモアガリ。
全員が2万点台の拮抗した展開のまま、第1試合は進んでいく。
南1局