
牌の巡りというのは不思議なもの。萩原は4枚目のを引いてテンパイも、やはり
を押しての
待ちには受けず。

しかし、テンパイしなければ試合終了の堀がを引き戻したことで、
を押してテンパイを取った。

萩原、このをチーして
単騎、あそこからなんと、奇跡的にテンパイを取りきれた!

たろうの1人ノーテンで、萩原が100点差でトップ目に立って次局へ突入。さあこれで、アガれば萩原トップだ。

次局は粘って親番をつないだ堀がをポン、ドラメンツを使って一撃を狙うなか、

最初のテンパイは目いっぱいに構え続けた萩原。カン待ちのタンヤオだ。

そこへこちらもアガリトップのたろう、リャンメンが埋まって役ありのテンパイをどう取るかの選択。
激論!オーラス、テンパイで何切る?たろうは7p切り。
たろう「もちろん2p切って69pが1番アガれそうなんだけど。慎吾(堀選手)の3p手出しで、ピンズの下が34pか44pのことがかなり多そう。2pがかなり切りにくくてさ。」
越山「7pと8pの比較は?」… pic.twitter.com/SjWjJheLGs
— 赤坂ドリブンズ (@AkasakaDrivens) October 9, 2025

素直に考えれば切りのピンフテンパイ、親の堀の現物
待ちにしたのかもしれません。しかしたろういわく、「直前の堀の
切りがどうにも引っかかった」、ここで選んだ
は、

萩原のロンだ!
タンヤオ赤、2000は2300。
この地味なアガリが、萩原を応援するチームメートやスタッフ、雷電ユニバースに、歓喜の瞬間を届けたのでございます。

試合後の萩原は、開口一番「疲れた」。聞けば体調も悪かったとのことだが、試合ではそれをおくびにも出さず、最後まで自分の仕事をやりきった。
「僕らを応援してくれている人が一緒に戦っているみたいな、そんな麻雀になっていたらめちゃくちゃうれしい」
そう振り返る言葉にはプロの矜持が詰まっております。やはりこの人は、常にファンのことを考え続けてきた、まさにスター。
インタビューの最後にはいつものアレを振られ、最初は渋りながらも・・・
「今日も明日も、雷電の麻雀は・・・」

「面白いんです!」
渾身のRMOでこの日は締めつつ、Mリーグの物語はまだまだ続く。
金曜の2卓開催では果たしてどんなドラマが起きるのか。さらなる熱戦に思いを馳せながら、Mリーグいくさ物語、本日のところはこれにて読み終わりでございます。

さいたま市在住のフリーライター・麻雀ファン。2023年10月より株式会社竹書房所属。東京・飯田橋にあるセット雀荘「麻雀ロン」のオーナーである梶本琢程氏(麻雀解説者・Mリーグ審判)との縁をきっかけに、2019年から麻雀関連原稿の執筆を開始。「キンマweb」「近代麻雀」ではMリーグや麻雀最強戦の観戦記、取材・インタビュー記事などを多数手掛けている。渋谷ABEMAS・多井隆晴選手「必勝!麻雀実戦対局問題集」「麻雀無敗の手筋」「無敵の麻雀」、TEAM雷電・黒沢咲選手・U-NEXT Piratesの4選手の書籍構成やMリーグ公式ガイドブックの執筆協力など、多岐にわたって活動中。