狙っていた「下石超え」── 中田花奈、要所で見せた成長の証【Mリーグ2025-26 レギュラーシーズン 観戦記 11/21 第1試合(麻雀チャンネル)】担当記者 ヤマサンブラック

伊達は【3ピン】【6ピン】待ちのリーチピンフドラドラ。

白鳥は【4マン】【7マン】待ちのリーチ赤々。

両者ともに待ちは薄いが、打点は高い。

17巡目、伊達が【5マン】をツモ切ると中田はチー、伊達がツモるはずのハイテイをずらした。

中田は【北】を切りカン【2マン】待ち、三色のテンパイを取る。
この局は流局したが、守備的に構えながらもしっかりテンパイを取り、ハイテイもずらした。好判断が光る一局だった。

 

南1局1本場、中田が絶妙な仕掛けを見せた。

供託が2本ある状況で、【白】が暗刻の好配牌を得た中田。


2巡目に【9ソウ】をポン、積極的に仕掛け早くもイーシャンテンに。

 

その後【8ソウ】チーでテンパイ、打【1ソウ】【2ソウ】【5マン】のシャンポン待ちを選択。

ソーズを2副露、最終手出しが【1ソウ】ということもあり、他家は染め手を警戒した。
その後中田はソーズをまったく引かず、ますます染めを匂わせる河となる。

最終的に渋川が切った【5マン】を捉え、中田は2600は2900のアガリ、さらに供託の2000点もプラスしてリードを拡げた。

先に【7マン】を切ったのが功を奏したアガリだ。

 

南3局もまた、悩ましくも興味深い一局だった。

渋川がダブ【南】と赤を副露、最低でも3900以上の打点が見えるこの状況。

【8マン】が暗刻の中田。4枚目の【8マン】を引くが、暗槓には踏み切らず打【8マン】とする。

他家のドラを増やすリスクを避けての判断だろう。


その後カン【7ソウ】を引き入れ、【8マン】を切ってテンパイ。

【3マン】【6マン】待ちのタンヤオ赤をダマテンとした。
ダブ【南】と赤の仕掛けが目立つ渋川の河には【6マン】がある。
渋川への警戒が強まる状況で、他家からの出アガリも期待しての選択だ。

次巡、中田は【6マン】をツモ。

リーチをしていれば一発ツモだったが、これは結果論。ツモタンヤオ赤、2000オールのアガリでさらにリードを拡げた。

──終わってみれば、中田はトップ目に立ってからは最後まで他家の逆転を許さない逃げ切り勝利となった。

試合後のインタビューで語っていたように、確かにこの日の中田は手が入っていた。しかし、そのチャンスをものにしたのは随所で見せた繊細な判断あってこそ。
個人連勝で今季4勝目を挙げた中田は、目標に掲げていたポイントでの下石超えも達成。

ゲームスタッツを見てもわかるように、和了回数が4、放銃は0回と見事な試合運びだった。

成長を続ける中田は、現在3位のBEAST Ⅹをさらに上位に引き上げていくだろう。
ますます目が離せない存在だ。

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