お待たせしすぎたかもしれない逢川恵夢からの、一足早いクリスマスプレゼントをモンダ民へ【Mリーグ2025-26 レギュラーシーズン観戦記 12/23 第2試合】担当記者カイエ

渋川の視点。

かを切りたいが、下家の伊達は→の切り順から、ホンイツだとすればまだは通りそう。ここは先切りの意味で打とした。

数巡後、渋川テンパイ。リーチドラ１だが、ラス目につき勝負したい。ツモって裏が乗れば満貫で一気に場は平たくなる。しかし、切り出される牌がドラの。伊達がマンズのホンイツなのは明白な上、東城も直前にを勝負しておりテンパイ気配濃厚。

ここでYouTubeチャンネル「渋川式麻雀通信」での検討配信を参照に、渋川の「魔神の読み」を披露してもらおう。

まず伊達にが当たるのであれば–待ちのリャンメンだろう。
するとカンを副露する前の牌姿はXX
これはを切ればとXのシャンポン待ちでテンパイがとれる形。
にも関わらず、ここでを切って、くっつきのイーシャンテンに戻したことになる。そして渋川から出たを食い伸ばして親の満貫テンパイ。

果たして伊達がこの微差のラス前の親番で、2900テンパイを外し、無理矢理ともいえるマンズの染め手に移行するだろうか？
もちろん点棒状況や打ち手の性格によってはそういうこともあるだろう。
しかし渋川は、伊達への「人読み」込みで、その可能性は薄いと読んだ。

同様に、東城の切ったが当たるなら、逆再生すればXXから切りでテンパイを取らずにを対子落とししたことになる。

その東城も伊達と同じカンでテンパイしている。
松嶋「カンシスターズ！」
2000点だが目下のライバルの親を流せれば大きい。

そして渋川も前述した理由からドラのを勝負してリーチ。
東城には当たるかもしれないドラだったが、それは仕方ないと割り切った。

見事な「鳴き読み」「人読み」を経て辿り着いた３者の対決の結末は？

東城だ！
タンヤオ・赤の500-1000のアガりではあるが、大物手の伊達も、勇猛果敢にリーチにでるも一度もツモらせてもらえなかった渋川も、痛恨。

南3局

東城、依然微差トップでラス前へ。
ここは親の逢川が先制リーチ。

降りる東城の視点。

親リーに対し、ここは基本的なことだがが通しやすい。
宣言牌がにつき、–リャンメンになっている場合は、敢えての赤切りで打点を減らしていることになる。が切られており–もない。

という解説を石橋プロがしていたのが、本局のハイライト級に面白かった。

石橋「萬子がってあって赤があったら、まあ普通は赤を切る…」
石橋「じゃなくて、赤を切らない、ですね（汗）」

Mリーガーとしてのキング石橋は、赤切りの石橋としても知られていた。黒いデジタルの異名とも親和性が高く、赤切りは石橋の代名詞ともなっていたが、この解説における「普通は赤を切る」発言は、ボケ＝自虐（？）ではなく、本当に、単なる言い間違いのようだった。
精神分析家のフロイトは言っている。
言い間違い＝錯誤行為は、不注意ではなく、無意識の本音や願望のあらわれである、と。
実況の桃が、一連の事件に気づかず（わざと？）に、完全にスルーしていたのも面白かった。

などと言っている間に、逢川の待つ–は、当初の４枚から残り１枚にまで減っていたが…

ラス１をツモり、リーチ・ツモ・ピンフ・赤に、裏が乗ったのが大きく4000オール。
主に３人の女性がことごとく「対決」する構図に、ピリオドを打つラス前の決め手となるか。

南4局2本場

いや、そうは問屋が卸さない。
苦戦するアースジェッツを救いたい逢川に、試練は続く。

このオーラスでは、本局の集大成ともいえる白熱の三つ巴が展開される。

まずは伊達がドラのとのシャンポン待ち。
前局の自身のひとりテンパイで供託と本場があり、逢川をまくるトップ条件は満貫ツモとなっている。すなわちドラのを引けば条件を満たし逆転トップ。

続いて逢川もテンパイ。
伊達に満貫を振っても、東城とはわずか200点差残り２着まで。伊達は切りが早く、複数あるドラ固定に見える。ここは––の三面張でもあり、勝負でテンパイには取りたいが、リーチ判断が難しい。
なら一気通貫の役有りでアガれる。もちろんツモでも良し。ドラがでこれは出にくいし使われてそう。が他者から出たときにアガれないのは激痛だが。