前原雄大に届けた一回忌のトップ
文・うめきち【月曜担当ライター】2026年10月12日
2025年10月12日。前原雄大が旅立った。
あれからちょうど一年。2026年10月12日は、一回忌にあたる。
この日、佐々木寿人は二度卓についた。第1試合ではオーラスに12000をアガって2着に浮上している。普通ならそこで一日の仕事は終わりだ。それなのに寿人は、続けて第2試合にも姿を見せた。連投である。
同卓は園田賢、白鳥翔、黒沢咲。全員がMリーグ創設時からの選手である。ここまでの勝ち星は寿人が4勝、残る3人は1勝ずつ。
そして寿人の隣に、もう一人置いておきたい男がいる。白鳥だ。公開されたばかりのソニー損保のCMで、白鳥はこう語っている。
「その牌を切ってあとから自分が見返して本当に後悔しないかどうか。いっぱい練習してきて卓についているので結構揺れない方かなと思います」
揺れないと言い切る白鳥は、この卓で本当に後悔しない選択を続けられるのか。命日に連投した寿人と並べて、私はそこを見たかった。
第2試合
東家:佐々木寿人(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
南家:園田賢(赤坂ドリブンズ)
西家:白鳥翔(渋谷ABEMAS)
北家:黒沢咲(TEAM雷電)
実況:小林未沙 解説:村上淳
東1局 目を離すともうリーチが入っている
寿人の特徴を一つ挙げろと言われたら、私は打牌の速さを選ぶ。ちょっとよそ見をしている間に、もう牌が切られている。画面に目を戻すと、いつの間にかリーチがかかっている。テンパイしていたことにすら気づかせてもらえない。ご存じだろうか? あれである。
親番の1本場、寿人は高目三色のリーチをかけた。
ここへ飛び込んだのが黒沢だ。ドラの
をポンして前に出ていた黒沢は、
寿人の高目になる
を引いてしまう。
の方が安くなる場合が多いためか、打
。
リーチ三色、7700。
2本場こそ園田の1300に放銃して親を落としたが、東2局には3巡目にペン
待ちでリーチ。
リャンメンもペンチャンも同じ速さ、間でリーチしてくるので、相手は待ちの良し悪しなどがはかれない。しかしこれも寿人の強さの一つだと思う。そして山1だったが、これをあっさりツモってリーチツモドラ1の1000・2000である。
速い。とにかく速い。しかも速いだけではなかった。
東4局 ピタ止めのひさちゃん
速さの男が、止まった。
東4局は黒沢の親番。黒沢がダブ
をポンして動く。
12巡目、白鳥の待ちは![]()
だった。
一方の寿人の手にはピンフドラ1が見えている。
ここで打
でリーチしたくなる形だ。それでも寿人は、白鳥の当たり牌を河に出さなかった。リーチどころかメンツを壊す打
。
「この局は自分のターンではない」
そう見切ったのだろう。攻めの印象が強い寿人だが、強さの秘訣はこういう守備にもあると私は思っている。
試合後、寿人は自分のことを「ピタ止めのひさちゃん」と呼んだ。私は真っ先にこの12巡目を思い浮かべて、画面の前で笑ってしまった。自分で言えるのが、また寿人らしい。
局を決めたのは黒沢だった。ドラドラチートイツでテンパイしていた園田が
で放銃し、親の黒沢に7700。
園田は直近のMリーグで4位、4位、3位と苦しんでいる。この日はパーマがかかったような髪型で、気分転換のつもりだったのかもしれない。
そして2本場、今度は白鳥が動く。![]()
ドラ3の満貫をツモって2200・4200。
解説の村上が飛ばした。園田がこの
を引き入れたとき、
村上「手牌がぐっと引き締まるひろ子ですね」
薬師丸ひろ子をもじった、世代のわかるダジャレである。わからない人は『セーラー服と機関銃』で検索してほしい。
前原雄大という分岐点
ここで少し、前原の話をさせてほしい。













