文・飯盛裕美子【火曜担当ライター】2026年10月13日
10月13日、Mリーグ2026-27シーズン、麻雀ch第1試合。
瑞原明奈が6万点を超える独走態勢を築いたものの、勝又健志と醍醐大が猛追。最後まで目の離せないトップ争いが繰り広げられた。
この激戦でひときわ印象に残ったのは、勝又と醍醐の巧みな選択だ。勝敗を左右した二人の技術に注目したい。
第1試合
東家:滝沢和典(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
南家:瑞原明奈(U-NEXT Pirates)
西家:醍醐大(セガサミーフェニックス)
北家:勝又健志(EX風林火山)
実況:襟川麻衣子
解説:前田直哉
⬛︎魅せた、勝又のメンホン七対子
先に鮮やかな一撃を放ったのは勝又だった。
東1局、バラバラの手牌をもらった勝又。これでは先制が取れないと思ったか、筒子を積極的に切っていき、ホンイツや七対子を見据えながら守備的な進行。
8巡目、親の滝沢から先制リーチが入る。リーチ、赤、カン
待ち。自身の目から
が3枚見えており、筒子の場の状況が良いと見たか、ドラの
を切っての即リーチだ。ただしこれは瑞原に暗刻、山には0枚。
一方その頃勝又は、メンホン七対子のイーシャンテンまで育っていた。リーチの2巡後に
を重ね、場に1枚切れの
単騎でリーチ。配牌からわずかに見えた最終形をしっかり仕上げてきた。
山の0枚のリーチを打ってしまった滝沢、掴んでしまったのは
。
リーチ・メンホン・七対子は跳満、親の滝沢から12000点を直撃する。いきなり主導権を握ったかに見えたが、その後の主役は瑞原に移る。
この後、東2局瑞原の親番が終わらない。リーチで加点、仕掛けでもアガり、流局でもテンパイを入れる。4本場には4400オールを決め、7本場開始時には60800点。ほかの3人にとっては、トップを視界に入れることさえ容易ではない点差になっていた。
醍醐がメンピンドラドラをリーチしてツモ、裏が乗って30006000のアガリをもって長い東2局は終わる。トップ目の親番がハネツモで流れてしまった瑞原、暗雲立ち込める…。
⬛︎700オールに詰まった勝又の妙技
追う立場の勝又に目を奪われたのは東4局、親番を迎えた勝又の持ち点は12100点。
この手牌で
ポンから積極的に仕掛けていき、他家に【親のホンイツ】という名の圧力をかけていく。
これで手を歪められてしまったのは醍醐と瑞原。まっすぐ行っていればテンパイしていそうな手が、対応せざるを得ない状況となってしまった。瑞原は
の暗刻落としで完全にオリにまわり、醍醐はメンタンピンが見える手牌だったが字牌と萬子が打ちきれないと見たか、オリ。
滝沢は手牌がじっくりと育っていき、タンヤオ・赤赤赤・ドラの満貫のテンパイが入る。
テンパイ打牌で放たれた白を勝又がポン、まだテンパっていない。
このままではテンパイがあやういと思ったか、勝又は数巡前にすでに切った
を手に置き、ホンイツに拘らずテンパイ効率を優先。
をツモってカン
のテンパイとなる。目論見通りのテンパイだ。これはロンアガリが可能だが、
は滝沢に暗刻。
この後、勝又は雀頭だった
を暗刻にして少考。滝沢の仕掛けには赤ドラ、役牌は全て切られている。ほぼタンヤオで間違いないし、
–
は通っていない。勝又のこの局のテーマはアガリより連荘、だとするなら
を切って
単騎テンパイを選ぶ。これはフリテンなのでロンアガリはできない。
勝又はなんとそのフリテン
を引き当て、
のみの700オールをものにする。
数字だけ見れば小さなアガリだ。しかし、この700オールで滝沢の満貫を封じ、ホンイツを見切ってテンパイを優先した選択が功を奏し、親番をつないだ価値は打点以上に大きい。
ベテランの勝又が魅せた技ありの700オールだ。
勝又の追撃はこれで終わらない。南1局1本場では一時4人がテンパイにたどり着く激しい競り合いを制し、2000・4000のツモアガリ。
さらに南2局、瑞原の親リーチに対してカン
待ちで追っかけリーチを敢行し、瑞原から5200点を直撃する。

攻めるべき局面では攻め、瑞原の独走を脅かすところまで踏み込んだ勝又の麻雀には、2着という結果だけでは語れない見どころがあった。











