配牌の悪い二人を尻目に親の魚谷はスイスイと手を進める。
急所のカンを引き入れて盤石のイーシャンテン。
今にもテンパイしそう。いや今にもアガってしまいそうだ。これは勝負にならない。
親がこんなことになっているとはつゆ知らず、寿人と村上は国士に向かって進んでいく。
局面が動いたのは8巡目。
村上が気づけば国士無双のイーシャンテンまで辿り着いていた。欲しいのはと。
その頃、同じく国士無双の寿人はというと…
まだ3シャンテン。まるで勝負にならない。
10巡目には松本もドラのを重ねて勝負手のイーシャンテン。
その頃寿人は…
ようやく2シャンテン。少し光明が見えたか。
他3人はイーシャンテンから手が進まず、なかなかテンパイしない。
そんな3人を置き去りにしてに大外から一気にテンパイ!
すぐに松本の手からアガリ牌のが零れた。
あの配牌から国士を見据えていた寿人。会心のMリーグ初役満となった。
ガラクタリーチのお披露目
選手:前原雄大
日付:10/4(5回戦/80戦)
配信URL:https://abema.tv/video/episode/444-1_s1_p4 (25:00~)
東1局2本場、親の朝倉が連荘中の出来事だった。
3巡目に亜樹がを暗槓してリーチ。
捨て牌にも中張牌が目立ち、威圧感を感じる。
リーチを受けて前原。さすがにこの手では勝負にならない。
おとなしくをトイツ落とし、オリの様相を見せる。
亜樹のリーチに戦いを挑んだのは白鳥。スジとはいえドラの、スジのと押し返して、現物の待ちでタンヤオ三色赤の満貫テンパイを入れる。
亜樹と白鳥がぶつかり合うことが想定できる局面。
前原はあわてず騒がず、通った牌を切っていく。
白鳥の切ったを合わせ、をトイツ落とし。
このままベタオリかと思われた前原だったが、再びイーシャンテンになったところで手が止まる。
持ってきたで少考。
はスジだが1枚も見えていない。イーシャンテンではあるものの、赤もドラも手役も無い手からは切れるような牌ではない。
しかし、鋭い眼光で考えているぞ?を押そうとしているのか?
考えはしたものの、結局通っているを切った。
そうだよな。あの手からいくら筋でも通ってない牌は切れないよな。
ホッとした私は次の瞬間目を疑った。
「リーチ!」
「ツモ!」
一発ツモで裏ドラも乗り、リーチのみの手がマンガンのアガリとなった。
度肝を抜かれたが、冷静に考えるとこういうことだろう。
・愚形が残ったイーシャンテンで、ドラもない。いくら筋とはいえ1枚も見えてないは切れない。→打
・を引いてテンパイしたら、自分もアガれる可能性もある→リーチ
一見奇抜な打ち方に見えるが、前原にしてみれば何でもないことだったのかもしれない。
を切ってテンパイしなければすっぱりあきらめてオリただろう。