まずリーチ棒を出すと寿人との差は4500差になり、流局一人テンパイもしくは寿人の一人ノーテンでも変わらない点差になる。また、石橋とは満貫ツモでまくられるようになってしまう。このリーチ棒一本で着順アップの目は薄くなり、逆に着順ダウンの目が出てしまうのである。
園田、打としタンヤオチートイのイーシャンテンとする。
寿人はここから打としてチートイとを活かした打点重視のイーシャンテンに構えた。
やはりチームポイントを考えた一打だろうか。
園田はこのをポン打とし、トイトイに移行する。これで3900条件は整った。
この仕掛けを受けた寿人は打とし、チートイに固定する。
3900の欲しい下家の園田が仕掛けたからには赤跨ぎのは切りづらい。
ん?まてよ、寿人の打牌は受け入れをやや狭くして打点重視。テンパイがとれなければ流局も覚悟という風に見える。だがもしかして誤算があったのではないか?
仮に流局して寿人がノーテン、園田がテンパイだったとしよう。他2人のパターンは
○勝又と石橋がテンパイ→寿人の一人ノーテンで園田トップ
○勝又がテンパイで石橋がノーテン→二人テンパイで寿人トップ
○勝又がノーテンで石橋がテンパイ→二人テンパイで寿人トップ
○勝又と石橋がノーテン→園田の一人テンパイで園田トップ
となり単純計算で50%は寿人トップである。だがこれは通常の麻雀の場合はである。この段階でパイレーツと麻雀格闘倶楽部は45.2pt差で3位を争っている。パイレーツとしてはすぐ下にいる麻雀格闘倶楽部にトップだけはとらせたくないところだ。なので石橋としては流局時に園田トップとなるようにテンパイ宣言をすることが考えられる。
こうなると大事になってくるのは席順である。Mリーグルールでは親から順番に下家がテンパイ宣言をすることになっている。
オーラスは寿人→園田→勝又→石橋の順だ。
これは園田と石橋にとって最高の並び順である。なぜなら寿人ノーテン、園田テンパイと宣言したあとに勝又がテンパイとノーテンどちらを宣言したとしても、石橋はテンパイを取っている限り園田をトップになるように宣言できるからである。つまり勝又がノーテンなら、石橋もノーテン宣言をして園田の一人テンパイに、勝又がテンパイなら石橋もテンパイ宣言をして寿人の一人ノーテンにすることができるということだ。
故に、寿人はノーテン流局だけは絶対に避けなければならなかった。打としてチートイのイーシャンテンに構えたところは、やはり打としてテンパイ確率を高めたほうがよかったのではないだろうか。
そして園田は自力でテンパイを入れ
流局し寿人の一人ノーテン。園田のシナリオ通りにトップをまくる結果となった。
恐ろしい男である。
任務完了。チームの期待通り2連勝の大活躍を見せた。
梶谷悠介
最高位戦日本プ麻雀協会所属。HNツケマイとして天鳳やブログで一時話題となる。去年パパと麻雀プロに同時なった男。最高位とMリーガーを目指して連続昇級中。
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