切り!ここでテンパイをとらないのが去年までとは違う魚谷の真骨頂だ!
ドラ()を切って、あるかないかわからないでの1300点のテンパイを組むよりかは、そのドラを重ねてのマックスハネ満まで望む欲張りな選択。なるべく外側の牌()を残すことによって守備力だけでなく、重なったときのアガリやすさも高くなる。
解説の村上淳も、これまでの平均打点が7958点と上位3位に入っていることを強調し、魚谷の昨シーズンからの変化を語っている。
ただ…ここでを切るなら
をポンしたこの時点で、ではなくかを切るのも面白いと思うがどうだろうか。こうしておくと、トイトイだけではなくにくっつけたホンイツも残すことができる。
この局は前原の親リーチに屈しての流局。
魚谷が圧巻だったのはむしろ次の局だ。
南1局3本場。
65300点持っている親の前原から
5巡目リーチがかかる。
(こないだの沢崎さんといい、もう勘弁してくれよ…)
パイレーツファンやセガサミーファンからそんな声が聞こえてきそうだが、
魚谷はこの手牌。一発を受けて筋のをプッシュする。
リャンシャンテンだが現物がしかなく、を押しておいて次に無筋をツモったら撤退するんだろうな…と思ってみていた。
すると…
をツモって
無筋のをプッシュ!
さらに
無筋のをツモ切りプッシュ!
ついでにとばかり
もツモ切りプッシュ!
このは1秒も迷っていなかった。さらにさらに…
をツモってさらに形が良くなった。
ただ、ドラ()は筋とはいえ生牌(=ションパイ・1枚も見えていない牌)だ。
(みんな、いっていいよね)
そう確認するかのように、一呼吸置いたあと
までプッシュ!!
たしかに押すに値する手牌かもしれないが、点棒状況をよくみてほしい。ここで親の前原のアガリを阻止する意味は薄く、逆に放銃したらラス争いに巻き込まれる。
点棒状況だけで見たらオリ一択の場面だ。
状況に関わらず、押すに見合う手が入ったら押し切る…
まさに
チームメイト、近藤誠一の麻雀を見ているようだ。
ここでオリれば着順を守れるか、というとそうではない。ならば手が入ったときにきっちり押しておく…というのが押しの理由だろう。
結局
魚谷はテンパイすることなく、前原の4300オールが炸裂。
ベタオリしていても結果は同じだったが、確実に魚谷は卓上に爪痕を残した。
観戦記を書くたびに魚谷を褒めているような気がするが、高打点狙いや局所で見せる鬼プッシュは気持ちがいいし、Mリーグに対応させよう…と創意工夫してくる姿をみると、どうしても応援したくなるというものだ。
南2局1本場。
問題④
南家・魚谷 ドラ
すぐに上家からダブ南が打たれるが
ポンする?しない?
【魚谷の判断】
スルー!!
まさに、どこの近藤さんに教えてもらったのと聞きたくなるくらいに微動だにしない。