麻雀最強戦2019
歴代最強位代表決定戦
沢崎誠、土田浩翔、金太賢が
魅せたプロの意地
最強社長・藤田晋を
最後まで苦しめたのは…⁉︎
【決勝卓】担当記者:危険な鬼太郎 2019年12月1日(日)
決勝卓
東家 藤田晋
南家 土田浩翔
西家 沢崎誠
北家 金太賢
予選を見て見ると、4人が4人とも違った麻雀をして決勝に進んだ。まずはA卓の土田と沢崎だが、彼らは人とは全く違う打ち方をして勝ち上がり、B卓の金と藤田は堅実に場面場面に合わせた打牌をして勝ちあがった。
半荘1回勝負のトップ縛り。運ゲーだと言われる方もいるかもしれないが、私はそうは思わない。半荘5回勝負などは勝負を保留しがちだが、1回勝負だと局面局面にマッチした打牌をしなければいけない。
ともすれば、この4人は1回戦勝負のプロフェッショナル。誰が勝ってもおかしくはない。
東1局
ドラドラの藤田が軽々ととを鳴いてテンパイ。
ドラを暗刻にしてのカン待ちだ。待ちこそあまり良くないが、それにしたって12000のテンパイは大きすぎる。
これに打ち込むのが沢崎。
2フーロをしている割に藤田の捨て牌が強すぎる。ピンズマンズソウズと平等に切られており、さらに手出しの。
の1鳴きもあって、と持っていてのカン待ちが大本命だと沢崎は読んだのではないだろうか。
違ったとしても、この手牌ではを打つ一手だが。
この12000のアガリは大きいように見えて、さほど大きくはない。これが南1局ならば勝負を決定づける得点だが、まだ東1局。
他の3人は藤田の点数を見て、手を作ってくる。
親は流れ、東2局1本場。
沢崎がリーチ!
なんてことの無いリーチに見えそうだが、何とドラを暗刻にしてのリーチ!は全然良くは見えないが、は自風とは言え1枚切れ。切ってくれる公算は高い。
をツモってしまえば裏を見ずとも跳満だ。
このリーチの直後にテンパイを入れたのが金。
役なしのペンテンパイ。は1枚切れだが、沢崎の捨て牌はいかにも変則手が匂う捨て牌。
と外したいのはやまやまだが、このが沢崎に通るのか?と言えば微妙だ。沢崎はと持っていたらすぐにを先切りするタイプ。メンツ手でも普通に当たりそうだし、何よりも七対子の待ちもあり得る。
そして打ちもあり得ない。は安全牌が無いのにも関わらず、降りる事が前提になる手筋だ。消去法を積み重ねていけば、金の決断は当然の選択。
ここは切りの即リーチだ。もちろんだって、ドラそばの牌。カンなどにも当たるケースはあるが、安全牌が少ない今、リーチの方が分があっているという判断だろう。
この1300のリーチとマンガンのリーチは流局した。
東3局
チートイ王子・土田が即リーチ。
ピンズの下…。というよりピンズは全くよく見えないがここはリーチ。やはり土田も人の子。供託に2900点もあるし、自身の手がリーチドラ1の手牌。
打点効率上リーチか。
ここで親の沢崎が大物手をテンパイ!
なんと親のツモリ四暗刻テンパイ!しかし、ここで沢崎の時が止まる。
「これは…。ヤミテンにするべきか…?」
と考えたのではないだろうか。はもう超危険牌だが切るしかない。土田の現物にがある。が強い牌だとは言え、沢崎はいつも危険牌を切っている。ましてや端牌の辺りは降り打ちが期待できるかもしれない。
「リーチ!」
短く宣言をした。で12000をアガったって、嬉しくはない。狙いは四暗刻1本狙いだ。
とは言えを見逃すことはできない。なら、リーチをして確定跳満にすれば渋々だがアガる事が出来る。
沢崎にしてみればツモリ四暗刻の妥協リーチなのだ。