麻雀最強戦2019「歴代最強位代表決定戦観戦記【決勝卓】沢崎誠、土田浩翔、金太賢が魅せたプロの意地 最強社長・藤田晋を最後まで苦しめたのは…⁉︎

しかしこれも流局。供託が続々と溜まってきた。

東3局4本場供託4本

親の沢崎が面白いポンをする。

ここからポンの打。この手牌。中々はポンにしくく、アガリが欲しい打ち手はを切るはずだ。

しかし、ポンの残しは非常にリスクが高く、自分の手もさほど早くはない。を引いたらフリテンだし、を引いてのカンも微妙だ。

供託が4本場に落ちていてもゆったりと手を組んでいき、急所を鳴くのは実に沢崎らしい独特な一打だ。

藤田もをポン！

アガリがどうしても欲しい局面ではない。ただ、この供託を自分以外の人に与えるわけにはいかない。

自分の手牌もそうは悪くはない手牌。供託をさらえるか…？

を鳴いた土田もテンパイ。

待ちのリャンメンテンパイだ。そしてこれに焦ったのが一人だけ手牌が凄く重い金。3人が仕掛けていては、アガリはもう確実にある。この局に流局は無い。

ポン！

ここで打チャンタへと向かう。もちろん金だって雀王を取って最強位にもなっている。この手牌がアガれる確率が低い事は知ってはいるが、をスルーするとアガれない事も知っている。

可能性がある以上、その細い道を消すわけにもいかない。

供託があるだけで、腰が重い麻雀打ちがこれだけポンチーしだすのを見ると、麻雀はとても不思議なゲームだと思う。

土田がを加カン！

なんと雀頭のが乗ってのみの1000点の手が５２００点にまでなった！

土田としてもツモを1回増やすツモりなカンだったのだろうが、これは僥倖だ。

そしてツモ！

１３００－２６００の4本場に加えての供託4本。

一気に藤田の背後にビタリと付けた。

しかし東4局では、

親の金がリーチをして一発ツモ！リーチ・一発・ツモ・タンヤオの4000オール！

あれだけ苦労してアガった供託をかき集めても、この打点に及ばないことも麻雀の不条理さだ。

東4局1本場

沢崎がを1鳴き。

これを微妙だ！と思った視聴者の方々もいるはずだ。この手牌は四暗刻まである！なんでラス目なのに鳴くんだ！と。

もちろん沢崎だってが出ても恐らくはスルーしたはずだ。でもだと話が違う。１と９の牌は例えばタンヤオ移行などで切られやすいが、やは違う。手の中にあればそれまでで、だれも切ってはくれないケースがほとんどだ。

もちろん四暗刻は惜しいが…。そればかり狙っていてアガリを逃すわけにもいかない。

沢崎はいとも簡単にを暗刻にして土田の中を捕えて、トイトイ。５２００をアガった。まだまだ足りない。加点しなければ…。

南1局

沢崎がまたもや先手を取る。

ここは待ちの高目ピンフ一盃口ドラ１を拒否しての確定タンヤオドラ１のリーチと踏み出た。

場には3枚切れで高目の一盃口のは自分の目から3枚も見えている。だったら、スジ引っ掛けになっているの方が出やすいし、打点効率上合っている。

とは言え驚くべきはリーチのスピードだ。難しい局面で、これだけの速度でリーチをできる沢崎。これは強いはずだ。

しかしまたもや流局。

南2局

これまでスピード速く打ってきた沢崎が疑問の一打を見せてくれた。

これは凄く意外だった。まさかこの巡目でメンホン七対子を見ずに七対子のみのテンパイを取るとは…。確かには七対子の待ちとしては最低な候補だが、とは言え、メンホン七対子はダマでもマンガン。ツモっても最低跳満の好打点。

最低な待ちでも、打点でカバーしてくれる。

さらに沢崎は、

親がを切った直後に単騎待ちの七対子でツモ切りリーチへと敢行した。

なんだこれは…。観戦記者への私への挑戦状か？この思考を解いてみろと…。

恐らく沢崎は七対子のテンパイを取った以上、１６００でアガリたくは無かったはずだ。何巡も手代わりも待ったが、何も引いてこず、親の土田がを切って待ち牌のが筋になった。

は沢崎の捨て牌だけを見れば無筋だが、土田の捨て牌を観れば1枚切れの筋の牌だ。切りやすい…。とは言ってみたものの違う気がする。真相は沢崎の胸の中か。

ここで素晴らしい対応を見せたのが藤田。

ド終盤に手を崩さずペンをチーしての…。