熱論!Mリーグ【Tue】
ボーダー争い大一番!
ぼくの鳴きは
あんなに軽くない
天才・園田賢の大復活劇!
文・ZERO【火曜担当ライター】2020年3月3日
「大一番」
優勝などの行方にかかわる大事な勝負のこと
まさしく大一番。
この日の持つ意味がとても重いものになることはわかっていた。
セミファイナル進出ボーダーを争うU-NEXT Pirateと赤坂ドリブンズの差が13.2pt。この2チームの直接対決は今日が最後なのだ。おそらくあと4半荘で、この2チームのどちらかが姿を消すだろう。
しかし、昨年も思ったが、なぜこの「残留争い」というのは激しく盛り上がるのだろう。妙な話、ファイナルよりも面白く、観戦にも力が入り、多くの人が感動していると思う。
思うに、麻雀が「敗者のゲーム」だからかもしれない。麻雀は4人に1人しかトップが獲れないし、大会やリーグ戦なんかも勝者は基本的に1人だ。また、運の要素が強い競技だけに、どんな強者でも運命には抗えないケースが多い。
そういった麻雀の持つゲーム性が、敗者の悲運を目立たせ、我々の共感を呼ぶのかもしれない。
そんな大事な大事な一日。
私はスターティングメンバーを見ただけで、胸が熱くなってきた。
ドリブンズは園田賢、Pirateは朝倉康心、ともに直近不調と言える2人だ。
それでもこの日のメンバーに選ばれるということは、監督・チーム・ファンからの信頼が大きいからに違いない。それは多井、魚谷にも言えることだ。
直接対決第1ラウンドを制すのは園田か朝倉か?
1戦目
南家 魚谷侑未(セガサミーフェニックス)
北家 朝倉康心(U-NEXTパイレーツ)
東1局。
親の園田の手牌がコチラ。
園田はこの手牌からを残して、をツモ切った。よく見ると前巡にはダブを切っている。
解説では
「が全方向に安全だから残しているんですね」
と言っていたが、私は違うと思う。
もちろん安全という要素もあるのだが、にやを引いた最速のリーチを逃したくないのが一番の理由だと推測する。
とは山にごっそりいそうだ。
その後、イッツードラドラのテンパイを入れた園田…
(をチーしています)
ここでリャンメン待ちに変わったが、がフリテン。しかもそのは3枚場に見えている。しかし園田は構わずを切ってフリテンに受ける。
この終盤になると、いかに筋とは言えは打たれ辛いのと、残り1枚のが赤であることが大きいのだろう。フリテンに受けたゆえの5800出アガリ逃しは妥協できても、フリテンに受けなかったがゆえの4000オールは逃せない…といった思考だ。
これをツモって2000オールで開幕。
それにしても雰囲気が重い。
各選手、この半荘の持つ意味を熟知していて、一打のミスもしまい、という雰囲気がモニター越しに伝わってくるようだった。
東1局1本場。
アガった園田にまた分岐点。
ダブ・受けの広い・ドラそばの、という3枚のくっつき牌から1枚選ばないといけない場面。1枚切れのダブを見切ると思って見ていたら…
園田はを切った!
たしかにを残すと、2巡目にを切っているので、フリテンになってしまう恐れがある。それにしてもと比べたら受けの広さは雲泥の差で、園田がいかに高打点を意識しているかがわかる選択だ。
こんなことを思い出した。
園田とノーマーク爆牌党の話で盛り上がったときのこと、私が何の気もなしに
「園田さんは爆牌党のキャラで言うと、鎌板地迅(よく鳴くキャラ)ですね」