熱論!Mリーグ【Mon】
悪夢の四暗刻単騎放銃…
あの日の借りを返す
内川幸太郎の巧みな駆け引き
文・山﨑和也【月曜担当ライター】2020年3月16日
積み重ねた数字がいったんリセットされた。いよいよセミファイナルが開幕。ここからは全16戦の中期決戦となる。
今回戦う4チームを見ていこう。
初参戦ながら安定した成績で上位を保ったサクラナイツ。レギュラーシーズンでは内川幸太郎の四暗刻単騎放銃、岡田紗佳のオーラス6万点まくり、沢崎誠の四暗刻など、記憶にも残る戦いぶりを見せた。
浮き沈みあったが、最後には2位につけた渋谷ABEMAS。新加入の日向もトップ率30%超えの堂々たる成績を残した。昨シーズンの忘れ物を取りにいく。
レギュラーシーズンで最も強さを見せたセガサミーフェニックス。新加入の和久津晶も序盤は苦しんだが、最終戦でトップを飾りチームに勢いをつけた。まだまだ上昇気流が止まらない。
昨シーズンチーム最下位だったTEAM雷電。今シーズンはまさしくリベンジだ。面白く、それでいて勝つ麻雀をセミファイナルでも見せられるか。
記念すべき1戦目は内川、白鳥、魚谷、黒沢が出場した。
南家 魚谷侑未(セガサミーフェニックス)
セミファイナルではここまでの戦いのデータもレーダーチャートで紹介されている。上図は黒沢の戦績だ。ざっくり説明すると黒沢から見て魚谷には相性が悪く、内川には相性がいいと見ることができる。なぜ内川に相性がいいんだ? あっそういえばスー…なんて思いを馳せるのも楽しい。
魚谷、内川、白鳥のデータも掲載する。
盛り上がってきた。いよいよセミファイナル開幕だ。
東1局。先制リーチをかけたのは内川だ。
カンを引き入れての待ち。
捨て牌もが2枚並んでいてなかなかよい。比較的を切りやすい場況になっている。すでにも切っているのでも十分期待できる。
立ち向かえそうだったのは白鳥だったが、もうひと伸びできず。を切って迂回した。
そうそう、赤が判別しやすくなったのに気づいただろうか。あの丸いぽっちにはMリーグのロゴが描かれているという。うーむ芸が細かい。
結果は内川のツモアガりとなった。幸先よく1300―2600を加点。
東2局はしばらく動きが止まっていたところに白鳥がテンパイ。手に残していたドラのを切ってリーチをかける。
魚谷も直後にテンパイ。の暗刻を生かしてダマテンだ。待ちがリーチをかけている白鳥の現物であることも大きい。
長い間イーシャンテンが続いていた黒沢にもようやくテンパイが入った。は白鳥に通る。となるといきおい曲げるところか。
3人がぶつかったが、制したのは白鳥。黒沢からを仕留め、8000点を討ち取る。
東3局は好配牌を生かした魚谷が3巡目にリーチ。打でリーチをかけて待ちとした。代えて打としてとのシャンポン待ちもあるが、さすがに枚数を優先したほうがよさそうだ。
場を見渡すと、親の内川のところにが浮いていた。