王道のリーチ麻雀の阿部孝則
vs鳴き麻雀の古川孝次
鳳凰位3連覇同士対決の結末
麻雀最強戦2020
「キングオブ鉄人」
【B卓】担当記者:危険な鬼太郎 2020年3月28日(土)
麻雀のスタイルは様々あるが、今回の4人はそのスタイルの対極にいるメンツだ。
特に阿部などは鉄壁の守備力からのカウンターが持ち味で、メンゼン手役型のオーソドックスな選手だが、対戦相手の古川は鳴き麻雀の使い手。メンゼンで高くなる手もあっさりと鳴いて安手でアガるスタイルだ。打点よりもアガリの回数。
メンゼンVS鳴き麻雀ともいえる今回のメンバー。腰が比較的重い荒や阿部と、鳴きを巧みに使う沢崎、古川の面白い対決が見どころだ。
【B卓】
東家 阿部孝則(RMU)
南家 荒正義(日本プロ麻雀連盟)
西家 沢崎誠(日本プロ麻雀連盟)
北家 古川孝次(日本プロ麻雀連盟)
東1局
親番の阿部が選択。
ドラドラが手牌に内蔵されていて、なおかつが暗刻の勝負手。一見すると辺りを切って手広くドラドラを活かす選択を取りそうなものだが、阿部はここでじっくりと間を使い、
ここは切り。場にはが2枚出ていて比較的場にマンズが安い。なんかを引いての受けの選択は残したいところ。
そしてカンのほうだが、ピンズの上のほうの情報は全く出ておらず、良し悪しが分からない。とりあえずピンズの下は切られていて良さそうなので残しつつ、分からないカンを嫌う。
そしてをポン!
この時に、カンのカンのターツが残っているよりも、カンが残っているほうが断然強く見える。
阿部の繊細な山読みだ。
そしてドラのを暗刻にして絶好に見えるカンのテンパイを果たす阿部。このままアガレるかと思いきや、そのにロンの声。
沢崎のダマテンののタンピンに放銃。2000点だ。がポンされているのでダマテンに構えていた沢崎だが、おそらくリーチをされていても阿部はえお打ったと思うので、さして悪くはないスタートだろう。
東3局
東2局は阿部が700-1300をアガリ、ドラドラの手牌を貰った阿部の選択。
この手牌も迷わずを切ってのマンズとのピンフドラドラを目指す手牌に見えるが、阿部はここで安易にを切らない。
阿部は決断の打。これはピンズは全部要りませんという宣言に近い打牌だ。これも場を見るとピンズが極端に高く、マンズは場に安い。
を打っての保留の一打がオーソドックスのように見えるが、阿部は場の色に合わせて手牌をまとめる選択を好んでいるように思える。
阿部は見事にこのカンをとらえて、との黄金イーシャンテンに構える事に成功する。
が場に2枚切れ…。次に上家からが出たら仕掛けるのか?と私が思っていると
そんな心配向こうに回して阿部がを引いてピンフイッツードラドラのテンパイ。もちろんヤミテンに構える。
この待ちがたったいま切られたのもあるが、麻雀の基本は「出アガリマンガン、ツモって跳満はヤミテン」だ。
Mリーグの一発赤ドラ有りの麻雀でもそれが基本なのだから、この赤ドラの無い最強戦ルールだと、よりヤミテンになる。
これに荒と古川が追いつきリーチ!
阿部はこの2件リーチに対してダマテンを続けて無筋を押し続ける。が現物なのだ。
そして手牌に安全牌が無くなったのが親番の沢崎。
いや、違う。現物はある。荒と古川のリーチに対しての共通現物のがあるが…。
「阿部が無筋を連打してきている」
この事実は無視できない。勝手知ったる仲であろうこの4者。阿部が2件リーチに無筋を打ってきているという事が何を示しているかなど一目瞭然。
阿部もたった二千点の手牌で無筋を打ってくるタイプなどではないので、放銃したらマンガンは覚悟しなければいけないことも。
は確かに阿部には臭いが、3者に通りそうな牌は現状コレしかない。