情熱と冷静の間
湖面に佇む白鳥が
大空を舞った夜
文・ZERO【火曜担当ライター】2020年12月1日
Mリーグ観戦記 2020/12/02
「明鏡止水」
邪念のない、落ち着いた静かな心境。
麻雀には
押すべき1000点のイーシャンテンがあり、
オリるべき役満が存在する。
燃えるような情熱と、驕り高ぶることなく耐え忍ぶ謙虚さ。
この2つを1人の人間が同居させるところが麻雀の難しさ、そして面白さだと私は思っている。
雀荘に入った時のあついおしぼりが心地よい季節になった。
そんな冬本番の寒さを感じる12月初戦のメンバーはこちら。
第1試合
南家 瑞原明奈(U-NEXTパイレーツ)
北家 堀慎吾(KADOKAWAサクラナイツ)
堀以外はマイナスしており、ここらでトップが欲しいところ。
下がりゆく気温とは裏腹に、全員の腹の中は燃えたぎっている。
東2局、瑞原の大物手で戦いのゴングは鳴った。
リーヅモタンヤオドラ・赤・裏…の6000オール。
印象的だった2巡目まで戻って見てもらいたい。↓
2巡目でこの豊潤な手牌。瑞原は少考してを切った。
ドラドラなので受け入れを最大に構えたのだ。もう1つの選択肢は打。
タンヤオが確定し234の三色がくっきり見える。8000オールまで射程圏内だ。
有利な状況をさらに超有利にするためにを切るMリーガーがほとんどではないか。
特に2巡目であれば受け入れ枚数の差も気にならない。
ただを切ると、迷うツモが多いのがネック。
その一方で瑞原の選んだ打はどのツモがきても迷わない。
ただこの素晴らしい手牌をツモのリーチドラドラに終わらせるのはもったいなく感じる。
この打はクレバーなのか、それとも機会損失なのか。
東2局1本場、今度は白鳥に難しい選択が訪れた。↓
ストレートに打つなら打。しかし白鳥はを切った。
ソウズの4連形を残しつつ、最高形である…
567のタンピン三色を残すことができる!
このリーチに一発で飛び込んだのが…↓
あーん?こんなん交通事故でしょ!俺の手を見てくれよ!
ドラ暗刻のリャンメン✕リャンメン、地の果てまで押すイーシャンテンですわ。
これはソニー損保の保険が下りてもいいよなぁ?全額とは言わねーからよぉ!
567の高め一発で12000。
連続のハネマンで打撃戦の様相を呈してきた東3局。
白鳥がここからをツモ切った瞬間、私はおや?と思った。
234のイーシャンテンで形ができている。
普通は2人の現物であるを残し、不要なを切る手牌だ。
これもほとんどの選手がを切ると思う。特に白鳥はスリムに構えるタイプだけに全方位に危険なを残すのは意外だ。