圧倒的安定感!
頼れる船長・小林剛は
間違えない
文・真中彰司【金曜担当ライター】2021年2月26日
2月26日 第2試合
この日の第1試合、またもボーダー争いが混戦にもつれ込んだ。
瑞原のトップで、通過ボーダーまであと1.7ptと迫ったパイレーツ。
非常な大切な第2試合に誰を出してくるか…いや、答えは自ずと出ていたようなものか。
そう、船長・小林剛である。
パイレーツは今年に入ってからほぼすべての開催日で小林を起用している。名付けるなら、「1日1剛」作戦だろうか。
その結果、2月全ての開催日で出場するという「皆勤賞」を成し遂げた。その間に引いたラスはたったの1回。1月15日の第2試合のみ。
これほど頼れる船長は他にいないだろう。この日もその安定感と、時おり見せるパンチ力が炸裂した。
東2局
松本が先行しており、親は小林。
受け入れが一番広いのは切り。だががの2度受けになっていて、少々扱いにくい。そこで小林は切りを選択した。
するとこれが的中。次巡にを引き入れ、良い形の2シャンテンに。
さらにここからをポン!が3枚見えていて、待ちがあまり強くないと見るやいなや、仕掛けて5800のイーシャンテンに受け変えた。さすがの副露率31%(※)。
※ちなみに副露率1位は「キング」こと石橋伸洋。
小林の連荘かと思われたが、ここは高宮が手替わりをしっかり待って、ダマテンで黒沢から5200点を直撃。
雷電、ファイトクラブともにボーダー争いの渦中。こちらも負けてはいられない。
東4局1本場
親番の高宮がダブをポン。5800から12000が見える手を作って、トップからのダメ押しに繋げたいところ。
そんな時こそ他家の希望をロケットパンチで打ち砕くのが、小林剛という選手である。
ドラのを重ねて、との満貫イーシャンテン。
安全牌も抱えて準備完了!あとは機を待つだけ。
ところがこのイーシャンテンがなかなか埋まらない。
小林の表情もほとんど変わらない。
そしてようやくテンパイ!待ちで当然のダマテンに構える。
そこに鼻息荒く飛び込んできたのは、ABEMAS・松本。
ピンフドラ1、を引き入れて待ちのリーチを掛ける。
きらりと光るメガネの奥には、個人MVPへの闘志が燃えたぎっている。
高宮のテンパイ濃厚な状況で、小林が持ってきたのは松本に通っていない。2巡目のの裏筋になっており、非常に切りにくい。
だが、ここで押さねばいつ押すのか。一瞬止まって周りを確認し、スッとをツモ切った。
小林に入り目を押されると、松本としては非常に寒い。
そしてもっと寒いのは、3人に囲まれてしまった黒沢。
誰をケアするかと言ったら、もちろん親、そしてリーチ者だろう。奇しくも両者の現物だったを打ち出した。
これを捕らえて小林が8000点のアガリ。小林が完璧な押し引きで値千金の一撃を決めた。