予測不能の
マルチエンディング・ゲーム
そこに潜んだ魚谷侑未の
最悪のシナリオ
【須田良規のMリーグ2021セレクト11】文・須田良規
2月1日(火)、第2試合のオーラス。
点数状況は東家から、
赤坂ドリブンズ・園田賢 20600
EX風林火山・勝又健志 2600
セガサミーフェニックス・魚谷侑未 58800
TEAM雷電・瀬戸熊直樹 17000
と、魚谷がダントツ。
これがどう決着したか。
試合結果だけ見れば、実はそう驚くような着順の変動があったわけではない。
しかし、この局面、それぞれの選択で複雑なドラマが生まれ、
ゴールは同じだったとしても中途は全く予測不可能な、凄まじい紆余曲折のルートが絡み合っていたのである。
このときは3着目瀬戸熊がリーチ棒を出し、
2着目園田と4600差になったので、
園田は一人ノーテンでも着落ちはない。
ところが最終手番でダンラスの勝又がカン
待ちでツモ切りリーチ、
そのタイミングで園田に12000のテンパイが入る。
園田にツモ番はないが、山に
と
はなんと3枚残りである。
加えて
が魚谷から切られての勝又ツモ切りリーチで、
勝又の捨て牌に
も早く切られている。
勝又からすれば、もう園田が伏せてこの局での2着逃げ切り終了が明確であるため、
最後に瀬戸熊からの一発直撃裏条件で、この巡で仕方なしのリーチであった。
そして園田はほぼ通ると見えた
を一発で勝又に打ち上げ、3着になってしまう。
園田は、自身が12000をこの瞬間勝又からアガれればトップをそのまま狙い、
勝又から出なければ、やはり伏せる心づもりだったという。
これは結果だけとらえれば残念に思ったドリブンズファンもいたかもしれないが、
この判断はきわめて面白かったと思う。
残る山牌15枚のうち3枚に12000があり、勝又が1巡ツモ切るチャンスがある。
はそう危険には見えない。
園田ならかなり好みそうな決断の勝負だったのである。
そしてこの
切りの結末を呼び込んだのは──、
魚谷の
切りだったことにも注目したい。
魚谷は瀬戸熊のリーチを受け、終盤に
、
と通ってない牌を連打する。
これは、セミファイナルボーダーを競っているドリブンズの着順を落とすためである。
元々3600差であった園田と瀬戸熊の点数状況から、リーチの瀬戸熊はダマで3900以上ある手ではないと思われる。
41800差の瀬戸熊に多少打っても、ドリブンズを突き放しておくことは今後の終盤戦で大きな影響を持つことも考えられる。
前回の記事でも書いたように、魚谷は差し込みに関してはかなり慎重な選手だ。
その魚谷が、ここで抜いてきた。
レギュラーシーズンは、いよいよ佳境に入ったといえよう。
さて、この雷電2着、ドリブンズ3着という結果。
最終局面の攻防は、考察してみればその結末の演出としては、かなり面白い内容だったと思う。
しかし、実はここに至るまでにも、かなり興味深い分岐はあった。
先に言っておくが、この局の瀬戸熊の選択は、話題になっていたようにやや疑問手である。














