仲間のため、ファンのため――
襲い掛かる逆境
それでもなお、
丸山奏子は戦い続けた
文・江嵜晋之介【月曜担当ライター】2023年1月9日
第1試合
東家:東城りお(セガサミーフェニックス)
南家:瑞原明奈(U-NEXT Pirates)
西家:丸山奏子(赤坂ドリブンズ)
北家:松ヶ瀬隆弥(EX風林火山)
大和証券Mリーグ2022-23、レギュラーシーズン。
1月9日の第一試合、赤坂ドリブンズからは丸山が出場した。
シーズンも後半に差し掛かり、徐々に後が無くなってきたドリブンズ。
チーム内でスコアをプラスしているのは園田ただ一人で、丸山・村上は今シーズン未だトップがない。
ここからの巻き返しには、二人の復調が不可欠だろう。
しかし…
この試合、丸山はラスを引いてしまう。
解説の朝倉プロに「できることはほぼやり切っていたのでは?」と言わしめるほどに、丸山は降りかかる不運と戦い続けていた。
東1局、西家・丸山の手牌。いきなりチャンスが訪れる。
が暗刻でドラが3枚。初打はドラを使い切るとする。
・8pはもちろんポンしたいが、早い巡目にチーから仕掛けると他家から警戒されてしまうため、ある程度我慢したいところ。
次巡、を引き入れリャンメンに変化する。当然の打。
配牌の段階では丸山が他を圧倒していたが、ここに松ヶ瀬が追いつく。
6巡目、松ヶ瀬の手牌。
二度受けだったを引き入れイーシャンテンになったところ。
選択肢の多い手形に、手が止まる。
ドラがなく、何かしら打点を確保したいところ。
を引けば一盃口が完成するが、頼みのは2枚切れており残り1枚しかない。
かといってまたはを雀頭にすると今度はの二度受けが残る。
は既に2枚切れだ。
松ヶ瀬は少考の末、を選択した。
二度受けは残るものの、カンの場況が良いため仮にを引いて役無しカンチャンになったとしてもリーチをかけやすい。
この選択が功を奏す。
2巡後、を引き入れテンパイ。も山に残っていそうだがシンプルにでリーチをかける。
松ヶ瀬に先を越された丸山だったが、松ヶ瀬の現物にがあったため、同巡瑞原からが打たれ、チーしてテンパイを入れる。
待ちは。待ちの松ヶ瀬と丸山の一騎打ちとなる。
はなんと山に5枚。対しては山に3枚残っていた。
勝負の結果は…
松ヶ瀬に軍配が上がる!
丸山がを掴み、松ヶ瀬へ放銃。裏ドラこそ乗らず3,900点だが点数以上に勝負手を潰された痛い放銃となってしまった。
東4局、再び松ヶ瀬と丸山がぶつかる。
10巡目、親番の松ヶ瀬からリーチがかかる。
配牌で既にイーシャンテンだった松ヶ瀬だが、道中やや遠回りしながらも打点にこだわりながら手を進め、タンヤオ平和の36p待ちを作り上げる。
リーチ宣言牌のを丸山がポン!