ここからは滝沢和典のターン
文・越野智紀【火曜担当ライター】2023年1月10日
第2試合
東家:萩原聖人(TEAM RAIDEN / 雷電)
南家:多井隆晴(渋谷ABEMAS)
西家:渋川難波(KADOKAWAサクラナイツ)
北家:滝沢和典(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
前回出場した試合で今シーズン初トップを取った滝沢選手が個人2連勝。
「あんなにキツかったのが、トップを取れる時は簡単に取れる」と不思議そうに答えていました。
実際の試合では何が起きていたかと言うと
東3局
渋川選手からのリーチを受けた滝沢選手はを切るかを切るかで
切りは
・テンパイまでの道で余る牌がの1種類で済むこと
・引きで一気通貫でテンパイした時にカンの現物待ちでダマテンに取れること
・親リーチの現物は場に打たれやすく、山に残っているかどうかが把握しやすくテンパイした時の待ち選択が楽になりそうなこと
こういった攻撃的な優れた点があり、守備的には1枚通ればもう1枚が安全牌になるといった面もあります。
この押しを見て、多井選手は滝沢選手に危険なから処理。
次巡、滝沢選手はをチーしてカンテンパイ。
渋川選手のリーチの現物でとを持っていた多井選手は
「用語解説で現物待ちって出てるな…」と思ったわけではなく、リーチ宣言牌のには動きがなかったことに注目して鳴けずチーしてロンになるレアケースがあるかを脳内で検索していました。
ここではで事故に遭うケースは少ないと判断して切りを選択。
この局は渋川選手がすぐにを掴んで滝沢選手のアガリとなりました。
「今日のトップはそんなに苦労をしてないのかなと思った」と滝沢選手がインタビューで答えていたのはこういった部分で、山の浅いところにがいたことで難しい押し引きの選択に迫られずにいました。
東4局
KADOKAWAサクラナイツは1戦目にトップを取った選手が希望すれば2戦目も試合に出れる「連闘権」という独自のシステムを採用しているチームで、この日1戦目にトップを取った渋川選手が連闘権を行使。
高いモチベーションで試合に臨んでいましたが
渋川選手の熱量に手牌がついてこず。
トイツ落としをする滝沢選手や2巡目からツモ切りを続ける多井選手を見て、手牌をスリムに構えさせられていました。
こうなってしまえば安い横移動は望むところの渋川選手。
0面子3シャンテンで安全牌を3枚抱えてポンならOKの気分で生牌のをリリースします。
中盤に多井選手からの暗カンが入って緊張感が高まると、渋川軍にとって守備の人だったにがくっついて攻撃の駒としてランクアップ。
薄いカンの受けを払い、山に全部生きているの受けを作りました。
この払ったは鳴かれてしまい、親の滝沢選手に待ちのテンパイが入ります。
少し痛いのですが、局が進まないことでよりツライのは点棒を持っている側の人間。
ラス目の渋川選手にとっては、これは我慢出来る痛みです。
さらにチーでが喰い流れ、納得の渋川選手。
多少の痛みからの喜び、いま生きているということを実感します。(12巡目3シャンテン)
滝沢選手からスライド気味に出てきたでが喰い取られた雰囲気も出たところで