謙虚に、真っ直ぐ。
〜瀬戸熊直樹という
打ち手について
文・千嶋辰治【金曜担当ライター】2024年12月6日
東家:伊達朱里紗(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
南家:中田花奈(BEAST X)
西家:瀬戸熊直樹(TEAM雷電)
北家:瑞原明奈(U-NEXT Pirates)
東1局。
起親の伊達がイーシャンテンの配牌をもらった。
小考の後、
伊達はトイツのに手をかけた。
勢いよく一色手に向かった伊達は、
瑞原が切ったなどには目もくれず。
自力でWを暗刻にして、
さらにまで暗刻にして待ち。
ヤミテンでも三暗刻がつく高めなら楽々倍満の超弩級テンパイに仕上げた。
伊達の判断は、
ヤミテン。
伊達は小考の上、第1打をのトイツ落としから入っているため、その挙動をいぶかる子方からのマークは厳しい。賢明な判断だろう。
とはいえ、場にはマンズが安い。
巡目も早いので、ほとんど子方3人によるロシアンルーレット状態。
誰が打ち上げたとしても不思議ではなかった。
そこに飛び込んでしまったのが…
親の動向を振り返るともう少し警戒したほうが… ということを対局舞台裏で語っていたが、それにしても衝撃的な18,000点の放銃。
この観戦記では、瀬戸熊のここからの戦いぶりに注目したい。
次局の東1局1本場。ドラは。
瀬戸熊の4巡目。
解説の忍田幸夫プロがその姿勢を高く評価した一打。
大きな失点の後、やぶれかぶれな大振りをして普段のバランスを崩さないことが肝要である… という手本のような手順だった。
タンヤオへの期待が残るを引いてテンパイ即リーチ。
そして、
山に1枚だけ残っていた高めのを手繰り寄せて1,300-2,600のアガリ。
18,000点放銃直後の7,000点持ちの景色と、ひとアガり出来た後の12,300点持ちの景色はかなりの違いがある。
「チャンスが来るまでは我慢。」
その胆力を今一度奮い立たせるには十分な加点だっただろう。
1局はさんで東3局。ドラは。
親の瀬戸熊の配牌。