たった1,000点。されど。
〜仲林圭、魂の全ツッパ
文・千嶋辰治【金曜担当ライター】2025年5月9日
観戦記を書く際、試合の大勢が決着した時点で文章を書き始める時があります。
今日はまさにそれで、序盤に仲林圭が点棒を持った時点でこのゲームは決まっただろうな… と、東場を終えた頃から書き始めました。
タイトルもすぐに決まりました。



ね?
立て続けに3局アガった3,900で「Thank You」から「仲林圭感謝祭」。
え?
おっさんのダジャレなんか要らないって?
ファイナルシリーズも終盤に向かい、打ち手も観る方も胃が重たくなるような日が続いているじゃないですか。
だから、この観戦記もたまには箸休めみたいな軽いタッチのものもいいのかな? って。
…思っていたんですよ。
そしたら、さすがファイナルの条件戦ですよね。
いつの間にかそれどころじゃなくなってるじゃないですか!

第2試合
東家:黒沢咲(TEAM RAIDEN / 雷電)
南家:園田賢(赤坂ドリブンズ)
西家:醍醐大(セガサミーフェニックス)
北家:仲林圭(U-NEXT Pirates)
私が顔を上げて対局画面に夢中になったのは南2局。

親の園田がドラのと
のシャンポン待ちでリーチ。
点棒状況はご覧のとおりで、醍醐が少し持ち点を減らしているもののほぼ横一線といった状況。
このリーチが決まれば園田のトップはかなり現実的だったかもしれません。
ファイナルの舞台でトップともなればインタビュー時間のレコードが記録されていたかもしれず、私はそれを少しだけ期待していたんですが…。

このリーチに真っ向勝負を挑んだのが仲林。
チームのポイント状況を鑑みるに、これ以上上位2チームに離されるわけには行きません。
仲林はラス親。
出来ることならばこの並びを維持したままで園田、醍醐の親を落としたいはずで、このイーシャンテンは勝負に値するものと考えたようです。
仲林の判断は結果的に正解でした。
なぜなら、


園田のリーチがわずかにアガリの軌道から逸れてしまったからです。
1巡だけリーチへの踏み込まずにいられたら… しかし、リーチに踏み込まなければ他家の自由を許してしまう。
園田にとってはギリギリの選択だったのでしょう。
それにリーチ直後にがやってきたのも結果論です。
しかし、結果として4,000オールからの一手が空を切りました。
そういえばこの局、仲林は少しだけ苛立っていたと言います。
「なぜこの手が動かないのか?」
と。


終盤に園田からようやくツモ切られたをポンして
待ちのテンパイ。
リーチ宣言牌のまたぎであるをぶった切って徹底抗戦の構えです。