This is 麻雀最強戦
〜浅井裕介5年越しの
アトミックリーチ
【B卓】担当記者:千嶋辰治 2025年10月11日(土)
冒頭、観戦記者の泣き言を聞いていただきたい。
このゲームの観戦記を担当することになって、私はまいったなと思った。
そういうことってたまにあって、理由のほとんどは金本実行委員長が行うマッチメイクが原因。
観ている方としては因縁浅からぬ森山茂和と浅井裕介がぶつかり合うのはとても刺激的で興味を引くものであると思う。
が、そこに最高位戦の代表である新津潔を組み、さらには「猫背」というこじつけみたいな理由で前田直哉をぶつけてきた。
ね?
書きにくいでしょ、これ。
当の金本さんは「これは面白い!」と思ったことだろう。
しかし、周囲の反応は冷ややかだ。


猫背ブラザーズとして招かれた2人は2人とも戸惑いの様子を隠さなかったし、

翌年のマッチメイクをほのめかされていた浅井は5年越しとなったことに憤っている。

その浅井に対して強めの言葉が口をついて出た森山に関しては、5年も前の話を今さら蒸し返されてヒール扱い。本来なら断ってもいい話なのだろうと思う。
だが、四人はコロシアムに姿を現した。


猫背ブラザーズ2人は出るからには勝つと覚悟を見せ、

浅井は森山越えへ虎視眈々。

森山もヒール役を懐深く引き受け、言い訳はなしだ、とした。
これぞエンターテイメント。これぞプロフェッショナル。
プロレスよろしく場外での争いはそれとして、やると決まったからには勝つ。
今年の戦いで一番刺激的なショーの幕が上がった。
・浅井、渾身のアトミックリーチ!
このゲーム、この局を語らないわけにはいかないだろう。
東2局、ドラは。浅井の親番だ。


ドラが2枚、メンツのど真ん中に組み込まれた配牌を取った。
半荘1回の短期決戦、これ以上の手がこの後に入る保証はない。
さて、どのように仕上げるか。
7巡目。

浅井の手はご覧のリャンシャンテン。
なんとかドラを切らないツモが来て欲しいところだが、次善の策としてマンズの伸びもケアできるように厚く持った。
すると、


新津からドラなしながら先制リーチが飛んできた。
その一発目、

浅井は無筋のをプッシュ。

さらにはをぶつけて応戦上等の構え。

その後、浅井はを引き入れてイーシャンテンとし、

待望のをツモってテンパイに漕ぎ着けた!