全員オリない!
サクラナイツ岡田紗佳が
平均打点7180点の
アガリ合戦を制す
文・中野巧【火曜担当ライター】2025年12月16日
Mリーグは知れば知るほど面白い。チームのこと、選手のこと、麻雀のこと、スポンサー企業のこと、知れば知るほど想像力が働き、より試合を楽しんで観ることができる。
私は今日の対戦メンバーを見て、「今日流局0かな」と思った。その理由は全員が攻撃型の打ち手なのだ。しかもびっくりするほど。本田は遠いところからでも自分のアガリをみて、仕掛けやリーチを多用するし、岡田はまっすぐ進めて、手をどんどんぶつけるし、太は何でもやってくるタイプで、どんな牌でも恐怖を感じぬAIのように切ってくるし、優は鋭すぎる読みで当たり牌以外を全部切るタイプだし。
結果は全11局中、流局が1回のみ。攻撃型の麻雀はアガリ率こそ高いが、平均打点は低いはずなのだが、打点は3900以上しか出ず、しかも3900点は2回出ただけで、残りはすべて満貫という高打点のぶつかり合いとなった。
今日の結果がこちら。4着となった優は東4局時点ではトップ目だったし、3着の本田も南1局時点で2着というシーソーゲームに。2着の太はオーラスに逆転となるテンパイを入れるも、ライバルのトップ目である岡田が太の現物かつ優のリーチに対して通っていない
を見事献上して終局。岡田は現在最下位のサクラナイツに貴重なポイントを持ち帰ることに成功した。
攻撃型の打ち手はアガリ率は高いものの、平均打点は低めになるのだが、今日全10回のアガリの平均は7180点と高打点のアガリが頻発していた。つまりはいい手が毎回誰かに入っていたのだが、だだでさえ攻撃型なのに、いい手が入ればよりオリない、バチバチのぶつかり合いである。
ここからはそんな攻撃的な局をピックアップし、ご紹介したい。
第1試合
東家:渡辺太(赤坂ドリブンズ)
南家:岡田紗佳(KADOKAWAサクラナイツ)
西家:鈴木優(U-NEXT Pirates)
北家:本田朋広(TEAM RAIDEN / 雷電)
①お料理コンビのリーチ合戦
東4局
親の本田は優の先制リーチを受けた一発目、現物もない1シャンテンのため、無筋も知らぬと
から切ってゆく。これには太、岡田も親を警戒せざるを得ない状況に。
数巡後、タンヤオドラ赤のテンパイに。待ちはドラ表示牌のカン
。いったんはダマテンにして、よりいいテンパイに変化する
や
を待つ選択もある中で、本田はテンパイしたら「決めていた」と即リーチ。もうさすがに太、岡田は向かってこれず、優と本田の一騎打ちに。
この2人といえば、『熱闘!Mリーグ』の企画で料理を作ったことがあるのだが、その時の優さんが凄まじく(肉を洗おうとするなど)、同じく天然キャラな本田が冷静な大人に見えるほどだった。
ただ残り2巡で太が安全にテンパイを取れそうな手から
をチー、やっぱりこの男さぼらず、どんなことでもやってくる。
結果は、攻めた本田が
をツモ。4000オールのアガリで一気に2着目に浮上する。
②高め18000の親リーチに立ち向かう子が2人
先ほど4000オールをアガった本田は、2巡目に234三色の1シャンテン、4巡目にテンパイし
–
待ちでリーチ。
だとリーチ・タンヤオ・ピンフ・三色・ドラの18000点と4巡目とは思えない、放銃したほうは目が飛び出そうになる高打点だ。試合後、本田は「もう少し巡目が経ってからリーチしたかった。そしたら完全に手から安全牌を切ってくれるのに」と漏らしていた。たしかに、早すぎるリーチには現物がなく、複数枚ある牌をまとめて切ることが多く、その場合は完全に手が崩れずにテンパイが入るケースがあるからだ。
13巡目に岡田が追いかけリーチ。太の切った
を合わせ、宣言牌の
以外は危険牌を切らずにテンパイに。

14巡目には太もテンパイ、即リーチ。親リーチだろうと攻撃の手をゆるめない子が2人。
結果は岡田が一発ツモで満貫のアガリに。親の本田は高めハネマンテンパイで点数以上に痛い親被りとなった。
南4局
オーラス、ハネマンをツモれば逆転トップの太は高め345の三色でリーチをかける。
このとき、安めの
はすべて優と本田が持っており、太のツモアガリ=高めしか残っておらず、ツモれば逆転勝利が約束されていた。岡田はこのピンチを切り抜けられるのか。














