佐々木寿人、
命運を分けた親リーチ
文・中野巧【火曜担当ライター】2026年4月28日
今日を含めてセミファイナルは残り2日となった。ファイナル進出をかけ、下位3チームが1枠をかけて争う。本日の見どころは4位、5位のチームによる直接対決だ。まだ優勝経験がない麻雀格闘倶楽部の悲願か、昨年王者フェニックスが王者の意地をみせるのか。
第1試合
東家:永井孝典(EX風林火山)
南家:佐々木寿人(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
西家:茅森早香(セガサミーフェニックス)
北家:黒沢咲(TEAM RAIDEN / 雷電)
本日のゲームスタッズがこちら。
オーラス、僅差の争いを制した麻雀格闘倶楽部、寿人がトップを獲得。「お待たせしました」のセリフから、チーム、ファンにとって待望の結果となった。
2位はファイナル進出がかなり濃厚な雷電、黒沢。チームのポイント状況からも無理をしない選択が南2局1本場のドラのカンチャンターツ外しやオーラスのオリ方に表れていた。
3位は現在1位、優勝候補筆頭の風林火山、永井。東2、4局のアガリ時に赤とドラが必ず内蔵されているように、ほかにも高打点の手が何度も入るがアガリに至らず。3万点以上を持っていながらも3着となってしまう。
4位はファイナル進出をかけた戦いで痛恨のトップラスを決められてしまったフェニックス茅森。3者に比べ、手のスピード、打点がなく、一方的に点数が削られてしまった。こういった敗戦濃厚な場面、後から振り返ると「ああすれば、失点を減らせたかもしれない」と思うのは簡単だが、行動の移すのは非常に難しい。
第一試合の結果を踏まえたチームポイントでは、上位3チームはほぼファイナル進出が濃厚で、残り1席を3チームが争う展開に。麻雀格闘倶楽部はこのリードを守れるか。
本日の勝負の結果を左右した1局について考察したい。
■寿人の親リーチと黒沢の選択
南2局、8巡目に3着目の親番寿人からカンチャン待ちで即リーチが入る。現状はリーチ・タンヤオ。永井が役なしでテンパイをヤミテンしているように、この親番は何があってもまっすぐ手を進めるため、リードしている永井、黒沢はよっぽど手が入らない限りは控えめに打つのがセオリーだろう。
永井が現物を切って、
だと役ありのテンパイし、その後引いてきた無筋の
を勝負する。この時寿人の心境は、「トップ目なのにめっちゃ押してくるやん」といった具合で、私の経験上、かなり永井がアガる。どんな世界でも持っている人のところにモノが集まるように、トップ目のところにも点棒が集まりやすいという麻雀あるある、いわゆるオカルト要素もあるのだが、トップ目が親に押してくるということは打点よりもアガリに期待できる形であることが多いからだ。
ただし、今回は
が茅森の手に2枚。安牌に窮した場合は2枚ある字牌に手がかかることもありうるが、なかなか安牌が尽きない。
10巡目には黒沢にテンパイが入る。こちらは2枚切れで役なし、カン
待ちでソーズの形がピンフの役ありに変化が3種あるため、ヤミテンに。
先に山にいたのは3枚残りの
でなく、残り2枚の
だった。
次巡に寿人が
をツモり4000オール、一気にトップ目に立つ。もしこのアガリがなければ、オーラスの500,1000の一本場で逆転トップにはなっていなかった。この局が勝負の命運を決めた。
少しさかのぼり6巡目。黒沢は安全度の比較で1枚切れられているドラの
を切るも、次巡に
を持ってきてしまう。

もしこの
を残していれば、1枚切れのカン
待ちで上家、下家は
を持っていなさそうで、ドラドラの先制テンパイであるからリーチを宣言したかもしれない。といろいろと考えを巡らしはじめたので、この場面に関して滝沢和典に連絡をした。あれは役なしのカン
待ちでリーチにいけたのか?と。
彼は「雷電のライバルはフェニックスで、ファイナルに進むとポイントの価値が半減することも考慮するとファイナルに進出する方が重要。だからリーのみカン
は絶対無理!」とはっきりと無理だと回答をくれた。たしかに絶対に来る親番の寿人に対してカンチャン待ちでぶつけるのはフェニックスが漁夫の利を得ることもあるから、ドラ重なりであってもヤミテンにしていたかもしれない。結果
が先にいたとて黒沢はクレバーな選択をしたといえるだろう。
木曜日、4月30日でファイナルに進出する4チームが決まる。セミファイナルの終盤、条件戦の面白さもあるが、そろそろ誰もが純にトップを目指す麻雀もみたくなってきた。

日本プロ麻雀連盟所属、プロ歴2年目。
英語、イタリア語が話せる。
麻雀プロの活動を中心にするため大企業を退職し、京都に家族を置いて上京。
現在は日本プロ麻雀連盟本部道場でスタッフとして在籍中。
いつかは書かれる側を夢みておもろい麻雀と服装を実践中。
X:@taknakano













