ブルドーザー・前原、変幻自在・園田 それぞれの持ち味を長考しながら堪能する夜【熱論!Mリーグ】

熱論!Mリーグ【Mon】

ブルドーザー・前原

変幻自在・園田

それぞれの持ち味を

長考しながら堪能する夜

文・梶谷悠介【遊軍ライター】2018年10月15日

 

さて、初めて観戦記なるものを書かせていただく私である。詳しくはプロフィール欄を見ていただくとして、現在深夜0時、いつもならとっくに床についている時間だが、先ほどまでの戦いで興奮して目は覚めている。一視聴者としてどのような目線で観戦していたかふり返ろうと思う
出場チームは以上の通り。上位3チームに現在最下位の麻雀格闘倶楽部が挑む形になった。そして麻雀格闘倶楽部からは
ご存知最年長Mリーガー前原雄大プロ(以下pに省略)が出場する。
ときにブルドーザーと形容されるほど強引に点棒を集める雀風で知られるが、前回はブルドーザ ーから点棒がこぼれ落ちていってしまった。上位との対戦ということもあり、今まで以上の覚悟で対戦に挑んだことだろう。
そのブルドーザーが東2局で迎えた親でさっそく手が入る。
配牌は平凡だったがツモに恵まれ6巡でメンホンチートイのテンパイ。
単騎に変えた直後
つかんだのは小林p。さすがに止まりようがない。12000のアガリになった。
さらに1本場、点棒をかき集めにいく
ダブが暗刻、トイツ手とポン材を優先して打としたが
ド裏目のひき。しかし頭を抱えたくなる場面でも前原pは冷静だった。としてフリテン受けを残す。まだ2シャンテンの手、チーもできるしテンパイまでに引き戻せばいい。
結局残ってしまったが構わずリーチ。
なんとこれが一発ツモで6000オールに。これがブルドーザーと言われる所以か。
さらにさらに2本場、前原pは攻撃の手を緩めない。
ポン、チー()としてまたもや親満の手を作る。
しかし村上pも自風でドラのをポン。残りツモ1回というところで1枚切れのを掴む。ホンイツの前原pに相当厳しい牌だがは自分でを2枚切っていて良い待ちにみえる。放銃のリスクよりアガリやすさに賭けた。
勝ったのは村上p。前原pから12600のアガリとなる。ブルドーザーから点棒がこぼれ落ちる前回の悪夢が頭をよぎる。
1000点のカンテンパイから小林pのリーチに打現物はの2枚があったがまだ通ってない筋が多く勝負したが
まさかの裏3で12600の放銃
画面の前で村上pと同じポーズを取っていた自分がいた。またブルドーザーは壊れてしまうのか…
しかしここからがすごかった

満貫ツモ

倍満ツモ

前原pの先制リーチに安牌のない村上pはここから打としたが
親満ロン。たった3局で合計37000点の収入となる。まさにブルドーザー、ダンプカー、ショベルカー、そういえば黄色のヘルメットが似合いそうだ。
しかし強引さだけではないのが前原pの恐ろしいところ
親で平和赤ドラ5800をダマ選択。が自分から3枚見え、自分以外の3人全員がを切っており、リーチ すると誰も出てこれなくなると判断したのだろう。点数的に王様リーチ♪などと気を緩めていない。
オーラス、ダマ満貫を小林pからアガり7万点オーバーの大トップで締めた。
その視線は高みを目指している。
続く第2戦
麻雀格闘倶楽部は好調の前原pを続投。他3チームはメンバーを入れ替えてくることになった。
東1局、黒いデジタルの閃光が走る
切りだと456の三色だが、切りリーチでカンを選択。が自分から4枚見えていて全体的に索子の上が安い。
そこに一発で飛び込んだのは園田p。リーチ宣言牌の筋であるが危険なことは百も承知だがこの手をオリるわけにもいかないだろう。
東3局、園田pの親番
をポンしてここから打手牌の効率だけみれば字牌を打つべきだが、先にと捨ててあって、と並べることでホンイツトイトイを演出。どうせ遅い手なら高い手を装うことで他家の足止めをしようということか。
しかしすぐに前原pのリーチを受けてしまう。
ドラは、あの手がここまで成長してやる気をみせたいが、を切らなければならない。リーチには通っているがは3枚見えのワンチャンス。他家が引き気味に打っているところでがまだ見えていないのは逆に恐い。だがラス目であるということが園田pの背中を押した。
引いた!激アツ!
ツモ!起死回生の8100オール!演出が本物になった瞬間だった。これをきっかけに演出家園田賢が徐々に本性を現し始める。
東3局2本場、ここまで我慢していた白鳥pにようやく手が入ってリーチ。
実はこのとき前原pがを両面チーして2000点のテンパイを先にいれていた。園田p、完全安牌のがあるにもかかわらず切り。白鳥pには現物だが前原pには通っていない。
このとき一瞬だが目線が右に泳いだ。推測だが、現在ラス目でトータルトップのABEMASのリーチは絶対かわしたい。逆にトータルラスの麻雀格闘倶楽部は2着でも良い、ゆえに下家のアシストを考えたのだろう。もちろんここで満貫を打とうものなら目も当てられないわけだが、自分の8巡目を鳴いていないことから前原pの手をそれほど良い形とは見ていなかったのかもしれない。しかしここは思惑通り2600点の支出でリーチを交わすことができた。
園田pの打ち方は変幻自在だ。アガリを拾ったり放銃を避けるだけではない、ときにブラフや差し込みなど卓上でできることを駆使して勝ちにつなげていく。

東4局4本場

自分の手はバラバラだが供託が2本あり他家にアガリを拾われたくない。ドラのを両面で鳴いて他家の足止めをしにいく。

南1局

白鳥pのリーチを受けて何を切るか。実はこのとき石橋pがをチーしてのシャボでテンパイしていた。
のノーチャンス、石橋pがを長考して手出ししていた、タンヤオ仕掛けでドラは、自分が赤を2枚持っている。それらから導かれる答えは…
で見事な1000点の差し込みとなった。

南3局

上家の石橋pがでチー。それを受けて園田pをポン打自分が仕掛けることで点数状況的に親に打ちたくない石橋pを足止めする鳴きである。結果的にこの鳴きがうまくいき、テンパイ料で3着目に追いつこうとした白鳥pから12000の出アガリとなった。

南3局2本場

園田pは好配牌をもらうと
チートイ単騎テンパイとし、これが危険牌を先打ちしようとした前原pからこぼれる。4800は5400のアガリ。

オー ラス

園田p、最後はこのテンパイに石橋pが飛び込んで見事トップで終わることになった。
前半で前原pが重機のような力強さを見せたかと思えば、後半は園田pによる技巧が光った。それぞれが持ち味を発揮した夜となったことは間違いない。明日の熱戦を期待してそろそろ寝ることにしよう。

 

梶谷悠介

最高位戦日本プ麻雀協会所属。HNツケマイとして天鳳やブログで一時話題となる。去年パパと麻雀プロに同時なった男。最高位とMリーガーを目指して連続昇級中。
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