麻雀最強戦2019
男子プレミアトーナメント
「王者の底力」【A卓】
それはリーチかダマか⁉︎
井出洋介に架せられた
ヤミテンという十字架
【A卓】担当記者:危険な鬼太郎2019年5月18日(土)
女流プレミアトーナメントは水口美香の優勝によって幕を閉じたが、今度はすぐに男子が始まった。
ベテランVS若手といった構図だが、
まずは現代麻雀から言うと一味違うA卓の試合を書いていきたいと思います。
東1局
開始早々、東大麻雀・井出洋介が現代麻雀のセオリーに反する選択をする。
まずはこの手牌でヤミテンだ。待ちは別段薄いわけでもないのでピンフノミだがリーチする人が現代ではトレンドだ。
だが、井出はそれを嫌う。前回の最強戦では安易なダブルリーチを掛けて負けたことを気にしていた。自分の満足する手牌以外ではリーチを打ちたくはないのだろう。
東2局
井出の手組が面白い。
皆さんならば、井出と同じ打だろうか?私の考えでは多くの人は打辺りを打って手広く打つと思う。
何故井出はそうは打たなかったのか?それはこの手牌もヤミテンにしたかったからだ。
この手牌でカンを引いたら好形でも役無しは確定。なら、ドラは切る構想にはなるが、ヤミテン好打点に構えられるジュンチャン三色を狙う。リーチを嫌う打ち手はこういう大きな手組をしなければ勝てない。
ドラを重ねてリーチを打ってツモった井出。流石にこの巡目のリャンメン役無しドラドラはリーチだ。見事なヤミテンの構想だったと思う。
こうしてヤミテン構想を続けることが功を奏し、自分トップの小場で南入。逃げ切り構想に入った。
南1局
ともたけ雅晴が親のこの手牌でこのヤミテン。
ドラ有り役無しの単騎だ。ドラが無かったら少々リーチしにくいような手牌だが、ドラ1なら打点効率上リーチ一択だ。
しかも、ともたけは井出とは違い、リーチを好む打ち手。だが打たない。
この後待ちのピンフに変化してもリーチを打たなかった。おそらくはドラのを引いて跳満のリーチを掛けたいという構想に思うが…。
この2900のアガリはもったいなく私は感じた。この手牌、この巡目でこの打点。少々不満だ。
南1局一本場
ここまで目立った動きを見せてなかった藤崎智が意外なリーチを打つ。
連続系のを切ってのカン待ちリーチだ。例えば井出なら切りの三色待ちのヤミテンや、を切ってのピンフドラ1変化待ちのヤミテンをすると思うが、井出と似ているタイプの藤崎がここでリーチ…。
何故だ?と思った。
私の考えでは、この点数状況が影響しているのではないか?と予想したがどうだろうか。
まず、トップ目の井出は絶対に降りる。ここで放銃して2着になることを恐れ、役あり聴牌をしていても絶対に降りるはずだ。
そして3着目の荒正義。手牌が相当まとまっていたら来るだろうが、微妙だったら?親番が残っている以上は決して暴牌は打たないはず。
そして親番のともたけだけが、どう来るか難しい。手牌が出来てなくな手も押してくる可能性もあるが、親番が落ちても逆転は可能な点差なのでもしかしたら手牌を歪ませて、局面を遅らせる選択をするかもしれない。
そんな藤崎のリーチに屈さないともたけはいともたやすく2600オールを引きあがった。
これで一気に2着浮上だ。ラスだったともたけが一気に2着まで来て差が一気に引き締まった。
その後、ともたけは荒に追い上げられたものの
このリーチ一発タンヤオツモ平和裏1の跳満をツモって通過を確定させた。オヤッかぶりの荒は少し、きつくなったか。
続く南3局、藤崎の親番でこのドラドラの手をヤミテン。そして荒からとらえた。