若干強引だが、ドラを使っての跳満を見たのだろう。
私ならドラを切ってしまいそうだ。
仕掛けのマークが強いMリーグの舞台において、ホンイツは通常よりも不利だと思っているからだ。
さらに東3局のこの手牌。
ドラは。
寿人はここからを切った。
カンの形が必要になるのは、やをタテに重ねた場合の、リーチのみのルートだけだ。
だったら
の部分だけで勝負すれば、好形は保証される。
そしては2人に通っていて、は全員に危険だ。
こうやって冷静に解説すると、打は至極当然の選択である。
しかし寿人が凄いのはそれを実戦で、そしてほぼノータイムで選択できるところだ。
おそらくだが、寿人の強さは同卓した時にさらに大きく感じるんだろうな、と思った。
さて、チームとしてはその寿人・前原雄大がプラス。
高宮まりも女流枠というだけでなく、今季人が変わったかのような押しを見せプラス。
藤崎智が本領を発揮できずにマイナスだが、それも-65.5と限定的で、1年目ということも考えると変動は無いように思われる。
家族のように仲の良いチームなので、全員続投と推測する。
あるとしたら満身創痍の前原が後進に道を譲って…という展開だがはたして。
4位
先週、俺はまだ舞える!
という観戦記を書いた石橋伸洋が、昨夜、セミファイナルにきてはや3勝目を挙げた。
波に乗るPirates。
石橋はそのときのインタビューで
(しかしなんちゅう爽やかな笑顔や…)
「最近はよりシンプルに、素直に打つようにしている」
と言っていた。
それがこの土壇場にきて良い方向に向かっているのかもしれない。
いじられキャラに見えるかもしれないが、もともと石橋は、あの多井や園田も
「石橋さんからはたくさん勉強させてもらった」
と言うほど引き出しが多く、実力のあるプレイヤーなのだ。
手牌に素直に打ち、適材適所でその引き出しを開くことができるのであれば、今後の未来も明るいものになるのかもしれない。
石橋のように遠い仕掛けをする打ち手はMリーグに少ない。
バリュープロポジションを提供し続ける石橋の姿は私も応援したいと思う。
だからこそ…ではないが、この昨日の選択を見てほしい。
ここからトップ目の石橋は打とした。
そしてをポンしてを切った。
ごくごく自然なホンイツ進行だ。
ただ、ここはもしくはを切って独自性を追求する道もあったように思う。
役満が乱れる今季のMリーグにおいて、この贅沢な手牌で最高打点を目指すのは当然の進め方だし、それがエンターテイメントだ、と思っている人もいるかもしれない。
そこで、を切ってを引き出して、ポン。
でロンして
「ロン、5200、ふっトップ目ですから」
なんて言ったら、逆にとても格好良いと私は感じる。
放送対局において、目の前の大物手を拒否するのはとても難しい。
前原がドラを4枚抱えた手で、リャンメンに受けずに四暗刻に受けていたのも記憶に新しく、だからこそ、ここでやを切る方が勇気のいることだと思う。
ただPiratesは実利を追うチームだ。
トップ目であることを考えると、くっついても苦しいを切ってトイトイや大三元の目だけは残しつつ…という進行もあったのかなと思う。
Piratesも石橋が活躍したことによって全員続投が濃厚だと推測する。