二階堂亜樹、
執念の6000オール!
Mリーグにも繋がる
奇跡の大逆転
【決勝卓】担当記者:危険な鬼太郎 2020年9月26日(土)
予選のA卓とB卓は満貫や跳満が当たり前に飛び交い、劇的なゲーム展開で流石、選ばれたMリーガだけあって素晴らしい闘牌を魅せてくれるな!と思った。
今回の決勝戦はトップ取りだけあってどういう展開になるか全く予想がつかなかったが、この4人が打つ麻雀が面白くならないわけがないだろうと思いながら観戦していた。
予選A卓 1位通過 二階堂亜樹
A卓では一人だけ手牌が追いついておらず苦戦を強いられていたが、連続跳満アガリで堂々たる麻雀を我々に魅せつけた。
2位通過 内川幸太郎
本人の言葉を信用する、彼はトーナメント戦だと9割の勝率を誇っているらしい。この予選の通過も確率通りだ。
予選B卓 1位通過 佐々木寿人
予選ではメンホンリーチを魅せ付けて見事倍満を成就させた。ド派手な麻雀で場を盛り上げてくれる男だ。
2位通過 多井隆晴
入場シーンからちょっとウザイ空気を出しつつある男。B卓では手牌に恵まれない中で最後まで諦めずに戦い続け、劇的な逆転勝利を収めた。その麻雀の実力は皆が知っている。
【対局開始】
東1局1本場 ドラ
佐々木寿人がいつものリーチを見せる。
変則手バリバリの捨て牌でも寿人は地獄の単騎でリーチ宣言をした。これがまだ予選だったら単騎のヤミテンにして9600を拾いに行ったり、初牌でリーチをして6000オールを狙いに行くのが普通だ。
だけどこれは決勝戦で1位しか価値がない麻雀。9600では安すぎるし、理想的な牌を持ってくるのに何巡かかるか分かったもんじゃない。点数はあったに越したことはないので少しでも打点は高くしたい所。
このリーチに内川が放銃してしまう。
内川とて寿人の手が変則手だというのは分かり切っていたが…。痛恨の手詰まり。筋のと、どっちを切るかの選択で2枚切れのを選択してしまった。こういう放銃を誘発できる点も地獄単騎リーチの利点。見え見えでもアガれるときは普通にアガれる。
「ドラドラで地獄単騎リーチかよ…」
と内川はガックシしただろうが、裏ドラが乗らなかったことが幸いか。
リーチ七対子ドラドラの12000の一本場、12300を寿人は内川から打ち取った。
東1局2本場 ドラ
多井が寿人と似たようなリーチを打つ。
とのシャンポンリーチだが、は2枚切れでは1枚切れ。つまり所、アガリ牌が明確に1枚しかないのに多井はリーチを掛けた。
普通はあまりこういう形のリーチは打ちたくはないが、これは先ほどの親番の寿人のリーチとは全く意味が違うリーチだ。
まずこれをリーチする事により2600の手が明確に5200になり手牌の価値が上がる。そして何よりも多井の捨て牌が良いのだ。1.9字牌をたくさん切っていてタンピン系の手牌に見える。1枚切れのなんて止まる訳がないのだ。
トップしか意味がないから1局にアガる手牌をなるべく高くしたい。
ただ、このリーチには明確なデメリットが存在する。
親番の寿人がドラを叩き切って高目三色の追っかけリーチ!こうなると多井はとても寒い。
自分のアガリ牌は明確に1枚しかなく、親が追っかけリーチをしたのならば高いか好形かはもうほとんど確定。多くの打ち手はこういうのを恐れてこの3枚切れシャンポンでのリーチを嫌うのだ。
しかしこの勝負は流局。佐々木が一歩リードしながらの展開が続く。
東3局 ドラ
親番の多井が先んじてリーチを打つ!
待ちの高目で三色のリーチ!このリーチに子番の亜樹も追いつき、
の対子落としでなんとメンホンのペンテンパイ。しかもこのは多井のリーチの現物なのでこのままいけば他家の降り打ちも狙えそうだったが。
ここは多井が力強く高目のをツモって裏ドラを1枚乗せて、リーチツモタンヤオ三色裏の6000オール。長年一線で戦い続けた強さを見せつける。
東3局1本場 ドラ
寿人が確定三色でリーチ!
ヤミテンでもマンガンな手牌だが、この1位取りの麻雀では多井以外からマンガンをアガったとしてもさほど利がない。ここはリーチしての跳満ツモで多井の親かぶりを狙いに行く。