本田に待ち受ける試練、大物手が飛び交う乱打戦を見事制したのは・・・【Mリーグ2021観戦記10/19】担当記者:江嵜晋之介

理想通りとまではいかないものの、アガりを物にしてまずは地上に復帰する。

続く南2局、2巡目にイーシャンテンとなった本田は

ここからシンプルに打【7マン】とする。
先程はテンパイを外してまで三色に固執していたが、今回はイーシャンテンで見切りを付ける。
自身が親番で、かつ点数状況的に先制リーチをかけてしまえば他家はかなり押し返しづらい。ここはテンパイまでのスピードを優先させ受け入れ枚数が一番多くなるよう構える。

9巡目、平和赤のテンパイとなりリーチ。

このリーチに、なんと数巡前からテンパイを入れていたトップ目の堀が1発で放銃してしまう…!

本田は序盤に【7マン】【4マン】を手出ししたあと東を手出し。マンズのターツは完成していそう。宣言牌が【赤5ピン】なのでピンズで両面待ちの場合は【1ピン】【4ピン】または【6ピン】【9ピン】が本線に思える。ソウズはどの筋も通っていない。

リーチが両面待ちだったときの待ち候補は全部で8パターン(可能性の低いマンズを入れると11パターン)あり、【1ソウ】の放銃率は決して高くない。
打点こそないものの、親リーチを流すためのプッシュ。しかし結果として痛恨の12,000点放銃。序盤は50,000点を超えていた堀の点数が20,000点台まで落ちてしまった。

逆に本田は点数を回復させ一気にトップまでの点差を8,100点まで詰め寄る。
終盤戦に差し掛かり、勝負の行方はわからなくなった。

南3局
本田が1巡目から自風の【北】をポン

1,000点なら簡単にアガれそうな手だが、本田は点数が欲しい立場。オーラスを有利に進めるためにも、ここはピンズの染め手を狙いたい。
なによりもドラが【白】なので、ホンイツをアピールすれば他家への牽制にもなる。他家が手を迂回させている間に、打点を作っていく算段だ。

だが数巡後、場に戦慄が走る。
七対子狙いだった松本の手が四暗刻のイーシャンテンまで伸び、ドラの【白】を切ってきた!

ブラフ気味である本田の仕掛けも、役満が見えるなら話は別だ。
本田の目論見を裏切り、松本がまっすぐ手を進めてくる。

そして【8ソウ】をポンして【6マン】【西】待ちのテンパイ。
これを見事にツモり3000、6000。接戦から頭1つ抜けオーラスに突入する。

南4局
堀は7巡目、この手牌から打【5ソウ】とする。

トップの親番松本まで12,100点差で、満貫ツモではギリギリ届かない。逆にラスの本田とは6,500点差。リーチ棒を出してしまっては本田の条件を軽くしてしまうため、リーチをかけずに2着の勝又をまくれる手を作りたい。

【3ピン】【6ソウ】を引いてテンパイしたときはひっそりと2着を狙い、【3マン】の周りが伸びてタンヤオがついた場合は思い切って跳満ツモを狙う構えだ。

そして10巡目にテンパイ。【2ピン】【3ピン】待ちのダマテンに取る。

ツモれば2着。【2ピン】が親の現物なので勝又からの直撃も狙えそうだ。

そこにラスの本田がドラの【發】をポン!

直後テンパイを入れた勝又がカン【2ピン】待ちでリーチ!
最後のめくり合いとなった。

勝又がリーチ棒を出したことでトップ条件が満貫ツモになった堀。追いかけリーチを選択するかに思えたが、ダマテン続行を選択。

この選択について、Mリーグ解説でおなじみ渋川プロのYouTubeチャンネルにて「勝又プロのリーチ宣言牌が【1ピン】なので【2ピン】【3ピン】を固めてそうで自身の待ちに自信がない。終盤で降りる選択を残したかった」とコメントしていた。

結果はその直後、逆転のテンパイをいれた本田が【2ピン】を切り…。

本日2度目の頭ハネ(放銃は2回とも本田、頭ハネされたのは2回とも堀)によって勝又のアガりになった。
そしてなんと裏ドラが2枚乗り逆転トップ! 大物手が飛び交った2回戦は勝又が制した。

4着となった本田はインタビューにて「バランスを考え直す必要がある」とコメントした。

チームとしても手痛い連続ラスとなってしまったが、とはいえまだまだ序盤戦。今回はお預けとなったRMO (富山弁ver.)もまた近いうちに見ることができるだろう。
今年の雷電は一味違う。
本田の加入に萩原の好調。今まで到達できなかった舞台まで登っていけるはず。

・・・ファ、ファイルへ!?

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