【 #神域リーグ 第9節第27試合 観戦記】傾奇者よ高らかに笑え 漢歌衣メイカの魂よ 全ての麻雀を愛する人へ届け 【文 #後藤哲冶 】

第27試合 歌衣メイカ vs 多井隆晴 vs 鈴木たろう vs 松本吉弘

第27試合目
東家 歌衣メイカ(アトラス)
南家 多井隆晴(アキレス)
西家 鈴木たろう(ゼウス)
北家 松本吉弘(ヘラクレス)

この並びに、覚えがある神域リーグファンは多いのではないだろうか。
3人のプロに囲まれた、たった一人のCランク選手。

7月4日に行われた第5節最終試合で、この4人は相まみえた。

ファンの間では「いじめじゃん!」「メイカちゃんボコボコにされる」といった旨のコメントが相次ぐなかで。

しかし歌衣メイカのチームメイトであるアトラスの仲間からは。

「いってこい! お前しかいねーよ!」
「メイカちゃん頑張って!」

と熱い言葉に背中を押され。
歌衣メイカという「漢」は戦場へと足を踏み入れた。

結果は、最後にゼウスたろうに捲られて2着という、大健闘も大健闘の結果。
紛れもないトッププロ3人を相手に大立ち回りを演じて2位を勝ち取ったのだ。
賞賛こそあれ、彼を責める人など一人もいないというのに。

「クッソ……! 悔しい……!」
対局が終わった直後、歌衣メイカの口から零れたのは、「悔しい」という言葉だった。

あの日のリベンジを。
歌衣メイカのジャイアントキリングリベンジが、始まった。

東1局
開戦の合図は、多井から。

今日ここまでとことん不運に見舞われた多井が復活の兆しの3000、6000。
雀魂内のキャラクターも変えて気分も一新。
本当にもうこれ以上負けられない男が、跳満の先制パンチ。

東2局は歌衣の先制リーチに負けられない親の多井が追っかけリーチを放つも、その2人をかいくぐったたろうが5200のツモアガリ。
第27試合は早くも乱打戦を予感させる嵐が吹き荒れている。

東3局

この局も多井に先制リーチを受けて、一発目の歌衣の手牌。
自身はドラ赤。通っている牌は現物の【5マン】が1枚だけ。

タンヤオで回れる【9ピン】を、歌衣が選ぶ。

しかしこれがなんと多井の高目。
リーチ一発ピンフ一気通貫ドラは跳満の放銃。
わずか3局で歌衣は窮地に追い込まれた。

放銃に回った歌衣だが、放銃の瞬間こそその顔を歪めたものの、「いいよこれくらいハンデで!」
と己を鼓舞。
結果的に放銃に回ったが、今のは悪い放銃ではない。
前回のこのメンバーでの対局時、歌衣は自分でもすぐにわかるほどの失着があった。
その時とは違う。気持ちは既に前に向いていた。

その証拠に、応援配信で監督である村上も「うん。【5マン】抜くようなメイカちゃんじゃないよね」と放銃に回ったこと自体は悔やみながらも、歌衣の戦う姿勢を評価していた。

東4局は松本のリーチにダマテンで押し切ったたろうが、松本からピンフのみ1000点のアガリ。

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