・形式聴牌
・寿人のツモ番を消す鳴き
のいずれかが予想されよう。丸山自身の聴牌ノーテンの収支を考えると、形式聴牌でのプッシュくらいは許されそうだ。
そして問題の寿人。単純に考えれば寿人の河のの筋で丸山から三枚見えの、ほぼカンチャンにしか当たらない上に役牌もすべて切られている。ほとんど通りそうな牌だ。
しかし丸山を悩ませる要因。それは「タンヤオだとしたらブロックが足りない問題」である。
丸山の目から、が全部見えている。ピンズも三枚二枚見えの上、瀬戸熊の切りを考えるとほぼこの辺りを持っていそう。そして寿人はノータイムツモ切り。
タンヤオ牌だけで手牌を構成している場合、かなり形が限定的なのである。
仮にタンヤオ以外の手役だとしても、カン待ちでないケースも当然ある。自身の確定聴牌での収入が大きすぎるため、鳴いた丸山だったが……
それでも丸山はリーチに踏み切った。
もちろんノーミスであれば三色もついて現物待ちダマテンに構えられたとの声もあろう。
しかし人はミスをするもの。ミスはミスとして終わった後に反省するとして、今目の前の手牌と状況への判断にぶれがあるようなことがあってはならない。
自身の親番が残っており、瞬間着ダウンはないこと。そしてここを躱せればトップに向けてかなり価値のある加点になることから、目の前の手牌はリーチであると丸山は判断した。
しかし最後まで立ちはだかったのは魔王。丸山を叩き落とす7700のアガリ。
寿人の勝利者インタビュー、第一声は長友よろしくの「ブラボー」。どちらかといえばドイツやスペインを超えてブラジルクラスのラスボスはあなたなのだが……
初年度は「奇跡」とまで言われた丸山の大逆転トップ。
しかし今日の打ち回しを見れば、丸山の大逆転トップが「当然」であると言われる日もそう遠くはないだろう。